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ヒューマン・ロール・プレイ
【調教 官能小説】

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〜 美術その5 〜-1

〜 2番の美術 ・ 工作 〜



 デザインを教えてくれた【B29番】先輩は、どちらかというと頭で考えて動く人だと感じています。 話し方も理路整然としていて分かりやすいし、気持ちがダイレクトに伝わってきます。 私自身は【B29番】先輩タイプと思ってます。 一挙一等足まで計算して、しぶとくあざとく立ち回って、全ては最後に自分がハッピーになるためです。 ぶっちゃけ他人がどうなろうと気になりません。

 一方、芸術系の実技を教えてくれる【B2番】先輩は、感覚で動いているような気がします。 少なくとも行動の1つ1つが計算づくじゃなさそうだし、損得とか、教官に媚ようとか、そういう気持ちがあんまり伝わってこないんですよね。 良くいえば自然体、悪くいえば天然――とでもいえばいいんでしょうか。 もちろん【B2番】先輩が凄い人で、とても賢いっていうのは分かってるんです。 
 ただ、美術の作品作りに関していえば、賢さとは別に、性格的なものが大きくでるように思います。 私にとって、理詰めで向き合えない【B2番】先輩の作品を理解するのは難しいです。 要するに【B2番】先輩の作品って、私からすると想像の埒外なんですよね。 参考にしたところで、本番で生かせる自信があるかというと微妙です……。

 本時のテーマである『工作品』も、例に洩れてはいませんでした。

 ちなみに学園では絵画や版画、彫刻に類するもの以外を総称して『工作品』といいます。 螺鈿細工や竹細工、七宝陶磁器に匕首拵、漆器や蒔絵、棗に戴金のようなレベルであれば『工芸品』と呼びますが、私達の手が届くなら『工作品』です。 【B2番】先輩がつくった工作品はどれも一癖も二癖もあり、美術の難しさを痛感させてくれました。


 ……。

 
 木で作ろう――加工しやすく、壊れにくく、手触りもいい木材は恰好の表現素材です。 板材、角材、ブロック材、丸棒といった様々な形状があります。 肌触り、木肌、木目、柾目は木材の種類によって千差万別です。 作るモノに応じた素材と道具を工夫すれば、鋸1本でどんなカタチも木工できるといいます。 そういった【B2番】先輩は、確かにたくさんの木工を残していました。

 1つ目は、引戸式の箱に丸ノミで彫刻を施した、『おまん箱』と銘打った木箱でした。 引戸のノブは包皮をかむったクリトリスを彫りだしてました。 左右の扉は、それぞれ左右の大陰唇が刻んであり、箱が閉じているときは、真上からみると乙女が恥じらって窄めている股間のようです。 箱を開くと、箱の底には膣口、尿道口、小陰唇が刻んでありました。 暗い箱の中にポッカリ拡がった膣の孔は、埃で煤けて黒ずんでおり、色彩も本物そっくりです。 箱を開ける動作を膣を拡げる動きに置き換え、自分の膣を晒す感覚を箱で体現するなんて、こんなのは先輩にしか思いつかない発想と思います。
 
 2つ目は、人型にくりぬいた木製パーツを組み合わせれば1枚の板になるという、銘を『牝内循環』というパズルでした。 人型の木製パーツは牝を模しており、どれも異常に大きい乳房、顔、お股が強調されています。 そしてパーツ同士は、例えば正しく組み合わせると『フレンチキス』をしていたり、クンニリングスに励んでいたり、シックスナインをしていたり、肛門に口づけして排泄物を受け入れようとしていたり、ともかく互いの孔を塞ぎ合っていました。 『窄めた口は誰かの肛門に吸いつこうとしている』『舌を伸ばしていれば誰かの股間を舐めようとしている』や『顔を傾けていれば互いの唾液を交換しようとしている』といったピースの様子をヒントに組み合わせれば、パーツが全て組み合わさって乱交に勤(いそ)しむ10数匹の牝の図になる、とのことでした。

 3つ目は、様々な色の棒材を木工ボンドで貼りつけ、木工ヤスリやベルトサンダーを用いて成形してつくる『寄木細工』の小物入れです。 形状は閉じた膣、即ち幼い牝の股間をなぞっていたのですが、それぞれの棒材の色が微妙に異なっていることを利用し、輪郭が角ばって暈(ぼか)してあります。 まるで『モザイクを掛けた幼いオマンコ』を見ているような印象は、きっと狙って演出しているんでしょう。 どこをどうやったらこんな発想が浮かぶのかについては、正直言って、先輩に舌を巻くしかありません。

 4つ目は、板をノミで窪ませてつくった小皿でした。 私が『小皿を作れ』と言われたら、せいぜい『縁を陰唇、窪みを膣にみたてたオマンコ様の皿』が関の山です。 一方で、銘を『割れ目』とした先輩の小皿は、底をツルツルに磨いた小ぶりな皿でした。 中央に入っているスジから微かに襞や突起が見え隠れする仕様です。 更に縁(ふち)はスカートのプリーツ模様なため、まるでスカートの下から幼いオマンコが覗いているかのように見えました。 あからさまに露出するよりも、隠そうとして、それでも隠しはしない姿です。 私の露骨な露出なんて、先輩に比べたら幼稚過ぎて話にならないです……悔しいとは思いませんけど。

 5つ目は、木ではなく竹でもって作った『一輪挿し』でした。 鉈(なた)と木槌で竹を割り、小刀で形を整えてから、炎で炙って節を曲げます。 竹を弄ったことなんてありませんから、竹の加工がどれくらい難しいかは分かりません。 けれども作品の静かな佇まいからは、先輩が器用かつ丁寧に仕上げたことが伺えます。 竹の節を膣壁、把手を勃起したクリトリス、本体を尿道口に見立てた作品の銘は『小尿挿し』。 活けた花を牝の小便孔に挿し、膀胱から栄養を与えて成長させる、という寓意だそうです。 普段から身体中の孔を入れ物として使用されている私達ですから、このようなテーマにも驚きはしませんでした。




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