投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

憂鬱なお姫様
【その他 官能小説】

憂鬱なお姫様の最初へ 憂鬱なお姫様 57 憂鬱なお姫様 59 憂鬱なお姫様の最後へ

屈辱-2

口を聞くのも嫌なティアラは、そのまま黙って王子の腕の中で耐えた。

しばらくすると、客間と思われる部屋へとたどり着く。

ティアラの不安をよそに、王子はふらつくこともなく彼女をベッドまで運んだ。


「わたくしは父上の元へ挨拶に行きますから、

しばらくあなたは休んでいなさい。

―――目が覚めたらまた可愛がってあげますからね。」


彼はニヤリと笑って、扉を閉めたが

鍵を閉める音は聞こえなかった。

コツコツコツ・・・と廊下を歩く足音が遠ざかる。


ティアラはフラフラと王子が出て行った扉に近づき、力を込めて戸を押してみた。

すると、いとも簡単に扉がギイと音をたてて開いた。


(あの王子、私が歩けないと思って油断しているのかな?

今のうちに逃げ道を探さなくちゃ!)


しかしティアラが一歩足を踏み出した時、目の前に男が立っていた。

武装した大きな男はティアラを見下ろしながら、彼女を咎める口調で言い放った。


「王子より申し付かっています。

部屋から出られると迷子になってしまいますから、

ここで王子が戻られるのをお待ちください。」


元気な時ならまだしも、走ることもままならない今のティアラは

大人しく部屋に戻るしかなかった。


憂鬱なお姫様の最初へ 憂鬱なお姫様 57 憂鬱なお姫様 59 憂鬱なお姫様の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前