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憂鬱なお姫様
【その他 官能小説】

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取引-18

王子はすでにラウルの情報までも集めていた。

ティアラは、ここでひるんでは駄目だと思い、睨み付けるように王子を見据える。


「そんな事ありません。彼は私の大事な人です!」


「ふふ、怒った顔も愛らしいですね。

しかしそんな顔、わたくしのような高貴な身分の者に向けてはいけませんよ。」


「それなら、もうこの手を離してください!!」


ティアラはもう一度王子から逃れようともっと強く手を振りほどこうと試みるが、

逆に王子は彼女を自分の胸に引き寄せた。


「狩人はいつどこで事故に遭うかわからない職業ですよね。

もしかしたら今頃手足を失ってしまっているかも・・・という可能性がありますよね。」


王子にそう脅されて、ティアラは怯んでしまう。


「ラウルに何をする気・・・?」


「さぁ?わたくしは何もしませんよ。彼の心配をしたまでです。

ところでティアラ、あなたは明日出発するのですから荷造りでもしていなさい。」


そういって王子はティアラをようやく解放した。


ティアラは震えが止まらなかった。

あの王子はラウルにきっと何かする気だ。

ラウルに危険を知らせなくては・・・そう思って無我夢中で彼の元へと走り出した。



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