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憂鬱なお姫様
【その他 官能小説】

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舞踏会-14

すでにティアラはもうこの王子と二人きりになりたくない気持ちだったので、

足早に会場に戻る。

しかし、彼女の試練はまだ続くのであった。


踊れないダンスを王子と一緒に踊らなくてはならず、

緊張感がティアラを襲う。

隣国の王子と踊る、となると人々はティアラの踊りも見てしまうはずだ。

緊張で硬くなっているティアラに、王子は彼女の耳元で小声で囁く。


「そう緊張なさらないで大丈夫ですよ、全てわたくしに任せてください。」


そう言って彼女の手をとり、腰に手をあてる。

次の瞬間、王子はゆっくりと踊りだす。

すると、ティアラの足はもつれることなく動き出す。

あんなに必死にやって出来なかったのに・・・?どういうこと?!

ティアラは自分でもびっくりするくらい、足が勝手に基本のステップを踏んでいた。


王子は華麗にティアラをエスコートし、見事な踊りを人々に見せつけた。

周りから拍手喝さいが起こる。


二人は脇へよけて人ごみに紛れた。

王子はまだ呆然としているティアラに囁く。


「素晴らしい踊りでしたよ。」


「恥ずかしながら、練習の時全然出来なかったんです!

・・・でも、魔法がかかったみたいに、脚が勝手に動いたんです!!」


「ふふ・・それはきっとパートナーが悪かったのですよ。

わたくしなら、あなたをもっと華麗に舞わせる自信があります。」




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