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「あなたに毒林檎」
【SM 官能小説】

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「あなたに毒林檎」-17

玲子は後背位からの挿入が終わると今度はベッドに放り投げられ赤いロープで入念に縛られていった……。
玲子はご主人様に仕える仔犬のようにじっとお座りし、男の手馴れた手つきに身を委ねている。
立てと言われれば立ち上がり、腕を後へ回せと言われればその通りにしていた……。
口枷は外された。だが口は何か物足りなさそうに半開きで目も普段見せたこともないうっとりとした顔に変化している……。
私も彼との時はあーいう顔をしているんだろうか?

 玲子の身体は赤いロープに巻かれ芸術とも言えそうな縛りであっと言う間に拘束されてしまった。私はロープの赤に染まる玲子を眺め溜息が出てしまった……。自分も縛られてみたいという気持ちになっていた……。彼の命令のままに動き、彼のしたいことだけに応えていく……。とても素晴らしい光景に思えた……。
 
 玲子はそれから様々な道具で責めたてられ乳首に洗濯バサミまで付けら数回果てさせられてしまった……。その後、彼女の縄は解かれ私が想像した危惧はただの妄想に過ぎないことを知った。相手の男はやくざでもなんでもなかったようで、行為が終わると普通のおじさんに戻ったようだ。
 不思議な緊張感がおじさんの身体から消え彼女を優しく介抱しはじめた。何度も何度も怖かった? 痛かった? どこが痛かった? キスしてくれ仔犬ちゃんとか言っている。玲子はそんなおじさんに心底、愛? を感じているらしく甘えた声で主さま〜好き。好き〜。大好き〜。これからも、もっともっと躾けてもっと厳しくしてくださいご主人様〜! とか言っている。

 そこから先のはどこにでもいる普通の恋人たちで年齢差や雰囲気の吊りあいが取れないことを除いてもラブラブなカップルだった。もう見ていられなかった……。
えっちなシーンは見ていられたがじゃれあうふたりを見てるととっても気恥ずかしい気分になってきたのだ。額から汗が吹き出してきた……。

 私はこのとき確信した。私には普通の人とは違う性癖があり、彼のことをご主人様と呼び奴隷や玩具のように愛され成り下がりたいのだと……。
きつく責められ、躾けられ、調教され、開発され物扱いされることが夢なのだ……。
それがはっきりと自分の中で読み取れたのだ……。

 しかし、肝心の主様候補NO.1は、変わったオナニーをする御人だと言うことだ……。
彼の瞳の奥に隠された真実はちまたで聞くSMのM側、マゾヒスティクな嗜好を持っているのだろうか?
そんな彼を見てしまった以上、私のことをきちんと上手に導いてくれる、玲子と相手のような関係になれるのだろうか? という思いがよぎり出した……。

 私の中にあるはっきりとした想いは彼にだけ告白できるもの。彼以外では駄目なのだ……。
彼は私が唯一愛し止まなくなってしまった初めての男性だ。尊敬し、信頼を寄せる大事な人なのだ……。
だけど……、彼はもしやマゾヒスト? 私もマゾよ? どうするの? ひぇーーー……。
 とりとめもない思いは目覚めてしまった性癖を上手くリードしてくれるボスが必要なのだ……。こーいう場合マゾ同士でも行為は出来るのかな〜? 私が逆にサドになり彼を責めないといけなくなるんだろうか?
 私の頭の中でSで始まる言葉とMで始まる言葉が渦を巻き始めう〜ん、う〜んって唸りを増して行った。

 だが、、、おかしい、おかしいよ、うんうん、彼氏との今後を考えると同時に今の自分がとっても不思議に思えてきた。

 ……玲子たちの目の前に居たよね? 何故あっちは私に気付かない? ドアから入った? 入ったけか?
う〜〜〜ん、判らない、気付いたら彼の部屋にも居たような感じだったしー……。
これはもしや、死ぬ間際に見る思い出の走馬灯???!!!
ウェ……死んだ? 死んでしまった? まりは死んで自分の中にあった想いをやっと見つけ出してしまったのぉー?
 さーこれからというところなのに……そんなぁー……酷い、ひどすぎる……、うううううう……。しかし、思い出も確かにあったけど、彼氏のオナニーと玲子のことは説明つかないよ? 
思い出の走馬灯じゃなくてーこれは、そうだ!、、、幽体離脱だ! それにも似ている?……。
 はぁ〜〜ん、どっちに転んでも私は生と死の狭間なのね……。
出てきた話があまりにもえっちなので性と死かな?……。
はぁーーー馬鹿な私、こんなときにそんな冗談思いつかなくても……。

 ふとあたりを見るとここは既に玲子の居たラブホの部屋では無くなっていて、広いんだか狭いんだか何も無い真っ暗な部屋になっていて私はと言うとふわり浮かんでいた。

 距離が見出せないのは比較する物体がなーんにも見当たらないのと、自分の五感が狂っているような感じだったからだ……。
真っ暗で意味不明の空間ではあったが決して怖くはないのだ。
暑くも寒くもなく、空調? が上手く作用しているのだろう居心地は良かった。
このままフワフワ浮いているとそのうち光りの束とか見えてきて、中に入るとお花畑と三途の川、大好きだったおばーちゃんに逢えるかもしれない。


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