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黒い聖母
【理想の恋愛 恋愛小説】

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特区のニーナ-2

さて、ニーナは毎年やってきた。今年十一歳のニーナは、一昨年から一人で飛行機に乗ってきていた。白い肌に顔かたち、また薄緑の瞳に銀のような髪は、どう見ても外国人であったが、戸籍上も完全に鉄矢と血が繋がっていた。
このニーナこそ、内心、鉄矢の本当の恋人であり、心の支えであった。ニーナのほうでも、格好の良い鉄矢を兄のように思って誇りにしていた。二人の関係のことは誰にも漏れずにいて、当人たちにもやめるつもりは毛頭なかった。
「やっぱり暑いねえ。」
空港で会った開口一番、ニーナは言ったものだが、鉄矢のアパートに着いてからも同じ言葉を繰り返した。鉄矢はクーラーを普段より強くかけた。
「プールでも行くか?」
「暑いから脱ぐ。」
言うが早いか、ニーナは白い半ズボンを下着ごと下ろした。そして鉄矢に跳んで抱きついた。頬にキスしてから、汗ばんだシャツもニーナは脱いでしまった。汗の香りのする冷たい子どもの肌が鉄矢に心地よかった。
ニーナは鉄矢の手を取ると、両腿のあいだの湿った溝に触れさせた。
この二人は互いの体そのものを求めつつ、互いの奉仕をも要求しあった。そして相手の体の様子に喜んだ。これが本物の、動物と同じ純粋な行為だと鉄矢は思った。しかし同時に、大人と子供のあいだでしか成り立たない不自然なことだと思われた。
「このにおい、久しぶり。」
声も明るく、ニーナは手のひらで受け取って嗅いでいるらしかった。鉄矢の顔には少女が跨っていて、何をしているのか本当には分からない。つい今まで、少女の口の中にあった鉄矢が、徹底的に少女に吸い出されたことだけは体が知っていて間違いない。
「喉が渇いた。」
「おしっこするからもっと口開けてね。あたし我慢してたんだ。」
これらが二人には当たり前のことだった。人間にとって、当たり前にならない行為などないのだと鉄矢は考えた。全ては所詮、習慣の問題なのではなかろうか。女と男のあいだで、普段、慎んだり恥じたりする感覚も、いずれ作り事に過ぎない、やはり馬鹿なことだと思われた。
ニーナと鉄矢とのあいだに作り事はなかった。それが、同じ行為をしても、大人の女と全然違う点だった。


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