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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
【フェチ/マニア 官能小説】

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擬似恋愛(前編)-2


俺はお茶を入れたグラスを舞花の前に置いた。

「一つ言って置くけど、電話に出ないからって突然マンションに来るのは非常識だと思わなかった?」

疑問系で諭してみる。

やってることはグルーピーと変わらない。

舞花は以前の俺との関係が自分の売名の為の偽者の恋人関係だったとわかっていた筈だ。

俺の問い掛けに舞花は顔をうつ向かせた。

三人掛けのシングルソファのみの為に向かい側には座れない。

俺は近くに立って上から舞花を見下ろした。

「……わかってたけど…どうしてもちゃんと話がしたくて…」

「は?…ちゃんと話?」

呟いた舞花の言葉に思わずひきつった笑いが漏れそうだ。

「なんの?」

「よりを戻したいっ…て…」

「………」

よりっ!?

なんだ、よりって!?──


「なんで聖夜があたしを避けてるのかわからなくて…理由聞きたいっ…」

「………」


俺はゆっくり頭を抱えた──



姉さん…


事件です。。。




もとい──


社長っ…



俺に言った話と噛み合ってないんですがっ…


あれ〜!?


あの髭、言わなかったか俺に!?





“本人もこれに賭けてるから”



これに賭けてる……



“舞花は芸能界で食っていこうなんて思ってない…”



芸能界で食っていこうなんて思ってない・・・




“舞花の目当てはお前だ”

“俺がお前で釣った”


“本気の恋愛しろっ”


“舞花じゃだめだったか”



あの──髭っ…




「ねえ聖夜…」

ダメだコイツ──


舞花は完全に俺とモノホンの恋人になったと思い込んでる──


失敗したっ…



芸能界最後になるだろうと思って結構ラブラブな恋人を演じてやったっ…


俺の誕生日も一緒に過ごしてかなりいい雰囲気でセックスしたし──


お互いに演じてるのをわかってんだからと“好き”なんて言葉も普通に言ってやった……



ほんの二週間足らずを完璧な恋人役で過ごしてしまった…っ…



週刊誌に取り上げられた時点で俺の役目は終わったと、180度身を翻した──



てことは…


舞花の中で、俺は突然別れも告げずに離れていった恋人になってるわけだ……



「ねえ聖夜っ……」


「ちょっと待って…」

頭痛い。


すげー 頭痛い。


思わぬ展開に頭が真っ白だ。

無言の部屋の中で頭を抱えたままでいると楠木さんから電話が入っていた。


「楠木さん、今、舞花が俺のマンションにいるから迎えにきてくれない?」

舞花から離れて小さな声で語りかける。

「……勤務時間外だぞ」

「……助けて」

「ふ…わかった…行くから」

俺の嘆きに楠木さんの口から微かに含み笑いが聞こえた気がした。



「藍原さん……二人付き合ったのは、藍原さんを売り込む為のスキャンダル目的だから…」

「……──」

「社長から聞かなかった?……俺は社長に恋人のフリしてくれって頼まれたよ?」


直球だけど言うしかない──

「それは……知ってたけど…」

「知ってた?」

ああ…

そか、ならよかった…


ホッとした。


完全に俺が騙した形にならないだけでも状況が変わる。


舞花はうつ向いたまま、何か言いたそうだ。

もしかして素人の舞花相手に雰囲気を作りすぎただろうか?

演じるってなったら俺はプロだ──

例えカメラが回っていなくても俺は役になりきる。

スキャンダルとしてマスコミに取り上げられるまでは、俺は舞花と熱愛中の藤沢 聖夜という役だ。



うつ向いたままの舞花を見つめると、俺は腕を組んで壁に寄りかかり天井を仰いで溜め息を吐いた──。






セックス──




したのが一番まずかったかもしれない……




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