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14's CHOCOLATE
【コメディ 恋愛小説】

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14's CHOCOLATE~boy's side~-1

橋田哲希、14歳、独身。俺には、最近どぉも気になる女がいちゃったりする。同じクラスでチビで明るくて馬鹿でアホで髪の毛が綺麗で元気な笑顔の子だ。
気になりだしたのは、去年の秋頃。例えば体育のバスケの時間。そいつがチラとでも視界に入れば、無駄にシュートを決める。ぶんどってでも決める。三歩歩いてでも決める。ルール無視で決める。もはや俺がルールだぁーっっ!!で決める。コレは一体何つぅ感情なんだろ??その子の視界に入りたいがタメに大声出したり馬鹿やったり…。俺、アホか!?って思うのです。

「で、何個貰った??」
「何が?」
「何がってラブチョコだよ!!」
「4個」
「勝ったぁ〜。俺5個!!圭介はっ?」
「…あっ?!ねぇよ、何だよ、文句あっかよ!!俺はオメェらみてえにモテねぇよ!!」
「圭介、男は中身じゃない。み・た・め・だ」
「殺すぞ、伸ーッ」
「やろうか??」
「哲希…この鈍感がぁぁぁあああぁぁぁ!!」
襲い掛かる圭介をなだめつつ、俺は今日のコトを考えた。…バレンタインデー。女が好きな男にチョコを渡す日。俺は四人から貰った。てコトはソイツらは、俺を好きなのか!?てぇか、話したコトもねぇのに女は好きになれんのか?!ダァーッ!!女ってめんどくせぇ!!好きなら好きって言えよ、このヤロォイ!!直球勝負だ、このヤロォイ!!

圭介の暴動が急に止まった。
「て、哲希。お呼びが掛かってんぞ…」
「くそぅ…今年もお前と同点か…」
「行け、俺たちに構うな!!」
「気にするな、俺たちはお前を待ってるぞ」
…小芝居かっ!?
しかし、ツッコむ余裕も伸の指差す先を見てブッ飛んだ。
…萩原コノ子。
コノ子が、短い階段のテッペンから「てぇつきィー、ぅおーいっ!!てぇつぅきぃぃ!!」と俺を呼んでいる。髪の毛を引っ張られるような感覚。ドックンと心臓が鳴った。俺は、落ち着かせるように階段をゆっくり登る。一体何だろう??
「何??」
コノ子は、顔を真っ赤にしてぁーぅーと繰り返す。俺がポケーと見ていると、ギリ聞き取れる声で
「コレ、あげる」
と、薄ピンクの小さい紙袋を差し出した。
反射的にソレを受け取る。コノ子のコトだから何か仕掛けてんな…♪
「何コレー?…ゴミィ??」
言って後悔した。チラリと控え目に見えてる白い箱。ソイツにちゃっかり巻き付いてる赤いリボン。こりゃぁ……バ、バレンタインチョコぢゃねぇですかいっっ!!軽くパニックで江戸っ子気味だぜぃ。あ゛ーッッ!!馬鹿馬鹿っ、俺のド最低馬鹿っ!!
しかし、コノ子は冷静にも「って、違うから。バレンタインのチョコだょ。いっつもお世話になってっからそのお礼ェー!」
と、ニコッと笑った。何かショックだ…。
「お礼なんていいよ。大したコトしてねぇし…コレ返す!!」
俺は紙袋を返そうとコノ子の前に出した。何だ…普通にバレンタインのチョコじゃないんだ…。ただのお礼なんだ…。コノ子からは、ただのお礼なら要らない。俺がお前から欲しかったのは…。
受け取りかけたコノ子の腕がヒョインと引っ込んだ。
「か、返さなくていいっ!!アタシがあげたいのっ。まず、まずそうだったら捨ててもいいから。でも…貰うだけ貰えっ!!」
そう言うとコノ子は、とんでもねぇ早さ走り去った。…もしもし、コノ子さん。まさかアナタ逃げたんじゃござぁせんか??
俺ばボーっと、コノ子が立ち去った方向を紙袋を持ったまま見つめていた。


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