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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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相手の幸福を本気で願うという事…-2

「アイツ、どうするんだろうねぇー。」
「そう、ですね。」

春限定の桜香るドーナツを口にし、レモンティー片手に今後の話をする。

「でもまぁー今回ばかりはアイツにちょっと同情しちゃうかな。」
「巴、ちゃん。」
「だって、あたるが青森へそれこそ若葉の願い通りにしたらあたるも寂しいだろうし、何よりアンタ自身…。」
「私は…。」
「かと言ってそれを拒否して、ずっと二人何時までも一緒なら、それはそれで。」

確かに、今に思えば彼に実に我儘で難しい事を言ってしまった気がする。でも彼の父親のせいで悲しんだ彼の横顔、そしてお兄さんと居た時の楽しそうな横顔。

「私、何だかズルいかな…、こんな重たい選択を、彼に託して。」
「若葉、…そんな事ないよ、アンタだって考え苦しんでそれを彼に言ったんでしょなら
ある意味お互い様じゃん。」
「巴、ちゃん。」

首を横に振り、優しい目で私を見つめる彼女。

自分でも何だかどうして良いのか分かんなくなってきた。

「食べよっ!」
「え?」
「くよくよしてもしゃーないっ!ホラッ大好きなドーナツ食べて。」
「う、うん、そうだね。」
「何個食べる、確か100個は食べるんだっけ?」
「えっ?何言ってるの?そんなに食べる訳ないでしょう。」

周りのお客がクスクスと笑う。

「こらぁっ!」




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