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Army×Army
【ボーイズ 恋愛小説】

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言っても無駄、暖簾にサバイバルナイフ。-2

「どこ行く?」
「あー、決めてきたんじゃねーの?俺プランなんて知らねーよ?出掛けるって前々から言ってただろ?普通考えてくるんじゃねーの」
「いや、デートだって言ってきたのはお前だし。お前が行きたいとこねえのかよ」

ぐ、と雨音は押し黙り下唇を噛む。
何、行きたいとこあるんじゃん?その様子だと。ホント面倒くさい性格してんな。

「CD買いたい」
「は?CD?」
「うるせー、なんか文句あんのか、コラ」
「あー、ないない」

CDですか。ダウンロードして聞ける時代、買うとか。まあ、個人の自由だけど。
CDショップねえ。タワレコとか?
あー、こんな時用意のいいオレが憎いな。

「んじゃ、車地下に停めてあるから動くか」
「はあ?車?」
「え、なんだよ。車で来たのおかしいか」
「……車」

歩きながら雨音が言葉を噛み締めてるのが伝わる。オレが車とかおかしいか?
まあ、日頃電車通勤だし。車持ってるって言ったこと無いからか。いや、そもそも聞かれたことしか答えてねえな。

「車あんならなんで迎えに来ねーんだよ。家まで送り迎えとかデートのセオリーだろーよ」
「知らんがな。そもそもお前の家を知らん」
「聞けよ!そのくらいやる気出せっつの!」

やる気とかホント面倒くさい。
何でオレが怒られてんの?わかんねえ。十代の気持ちが全然読めねえ。

「つか、車何?」
「アルファロメオ」
「はあ?アルファロメオ?べらぼーなの乗ってんのかよ。休日だけ使用とかバカじゃねーの?つか、バカだろ」
「ってのが、夢」
「は、あんたマジ最低。息を吐くように嘘をつくとか、このカス。クソ、死ね」

言い返すなあ。乗りたいのか乗りたくないのか。どんな車ならお気に召すんだか、このガキは。やれやれ。

で、目の前の俺の愛車を見てこいつはまた騒ぎだした。

「な!クラウンとか、なんだよてめー!これが休日使用の車か!車に謝れ!ふざけんじゃねーよコラ」
「クラウンアスリートだ、コラ」
「真似してんじゃねーよ。つか電車通勤とかバカだろ。乗れよ、乗ってやれよ!車が可哀想だろ!」
「えー」
「えー、じゃねー!このカス!」

がこん、と扉を開けて中に乗り込む。地下とあってか流石に少し寒いな。
文句をたらふく言いながら助手席に座って、シートベルトしめるとか。雨音のちぐはぐさに馴れてきたのが自分でも笑える。
ハンドルに左手を押しあて、ぐるぐる回しながら漸く地上に出る。あれだ、地下駐車場は右折と左折が面倒くさいな。方向感覚無くすように出来てんじゃね?

「あんた、左利き?」
「いや、両利き」
「嘘だろ」
「いや、マジだな。両方システムが違う」
「システムとかなんなんだよ、てめー」

いや、左手じゃないと運転しづらいし。飯食うとかは右だな。
そう言ってやると雨音は何故か悔しそうに唇を噛む。
こんなちいせえことにも対抗意識?わかんねえ。ホント全然わからん。


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