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エツコとオッちゃん
【女性向け 官能小説】

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エツコとオッちゃん-12

12.
 エツコは、真面目で、几帳面な学生だった。学校の成績もよかった。
 処女が死語になったような昨今でも、好きでもない男に身を任せるようないい加減なことは出来ないでいた。
 好意を寄せた男性からデブと言われて、拒食に走った。
 痩せることは美しい。
 太る恐怖から極端なダイエットに依存して、胃の中に食べ物が入ることに嫌悪して、指を突っ込んで吐き出してしまう。
 痩せても痩せても、未だ足りない。
 どう言う結果になるのか、全く見通しの無い、混沌の中で彷徨っていた。

 親子ほども歳の違う山路は、只一人気の許せる男だった。尤も、男と言う意識はなかったが。
 施設の入居者相手の歌の時間に、山路とデュエットする一時に、幸せを感じていた。

 勤務を終えての帰り道、力尽きて倒れてしまった。只一人思い浮かんだ山路に、救いを求めた。
 拒食症がばれて、強制入院。
 毎日訪ねてくれる山路に、愛を感じた。
 山路に、自分の惨めな裸を見られてしまったことも、開き直った親近感を生んだ。
 この人には、もう隠し事をしなくてもいいんだ。

 山路が誕生祝いに、自宅に呼んでくれた。
 嬉しかった。
 
 山路に、「おれの女になれ」と言われても、嫌な気はしなかった。
 気が付けば、山路を男として好きになっていたのかもしれない。
 21歳、ボーフレンドを持っても不思議は無い。
 自分の身体のことを思うと不安になったが、山路は当然そのことを承知の上で、求めているのだ。

 山路は優しかった。 
 唇を吸われ、乳房を愛撫され、ベッドまで抱かれて運ばれた。
 いつも、歌の時間にデュエットしている時の、あの幸せ。

 山路が、クリームを用意していたことには驚いた。
 性交渉、特に破瓜についての知識はあったので、ことの成り行きはおよそ想像通りだった。
 山路のペニスが、自分の膣の中で怒張をして、破裂をした。
 「気持ちよかった」と言ってくれたのは、多分にお世辞かもしれないが、少なくとも自分の膣でオルガスムスして、射精を果たしたのは間違いの無い事実だ。

 山路の、行為や仕草の端はしに、愛を感じた。
 初めての挿入で、性感を感じなかったのは当然のことだが、あの一瞬の痛みは、山路の愛を受け入れた洗礼。むしろ、喜びの快感だった。
(オッちゃん、愛してる、愛してる、好きだよ、大好きだ)
 


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