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ヴィーナスの思惑
【SM 官能小説】

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ヴィーナスの思惑-10

…あぐぐっ…うっ、ううっ…

じりじりとミチオの乳首ににじり寄る、火のついた煙草の先端が乳首を炙っていく。彼女の冷
徹な笑みは真珠色の宝石のように輝き始める。ミチオは彼女の残酷な笑みに孕んだ体温を吸い、
からだの中でほぐしていく。彼は額に汗を滲ませ、熱灰の甘美な苦痛に唇を噛みしめた。彼女
はミチオの乳首の表面を煙草の先端で軽く撫でる。

ミチオは烈しい嗚咽を洩らした。煙草の火の熱気を感じた乳頭が鋭い痛みを感じたとき、彼の
からだが微妙にひきつりながら汗を滲ませ、肉肌が艶めかしく冴えわたる。彼女は執拗に煙草
の先端でミチオの乳首を責めたてた。

透明の樹脂製の貞操帯に包まれたミチオのものが、あの人に与えられる苦痛でもがき、鮮やか
な薔薇色に染まりながら収縮を繰り返していた。亀頭のえらの輪郭が卑猥にゆがみ、貞操帯の
先端から透明の汁を滴らせていた。そして、彼女がミチオの乳頭に煙草を押しつけたとき、彼
は烈しく咽喉を鳴らし、ふらふらと床に崩れたのだった。


まだ、気を失うのは早いわよ。あの人は、椅子から立ち上がると、床に這い蹲ったミチオの頬
をハイヒールの先端で冷酷に踏みにじった。

彼女のハイヒールの先端が彼の頬をまさぐり、肌に喰い込む。そのとき彼は、ハイヒールの
尖った踵に愛おしいほどの彼女の体温を感じた。彼女の体温は彼のからだの細胞の水分を枯渇
させているというのに、性器の奥に潜む精液だけを濃くしているような気がした。

きっと彼女の漆黒の草むらも、性器の中も潤っている…ミチオはそう思った。なぜなら彼女は
とてもうれしそうに、酷薄に笑っているから。

ミチオのものの皮膚に感じる痛みはやがて彼を心地よい酩酊へといざなっていく。亀頭が貞操
帯の中で喘ぐように反り返ろうとしている。頬を踏みつけられる痛みがミチオの背筋をくすぐ
るように這いまわると、彼のものの肉芯は堅くなり、血管の中は、煮えたぎる油を注ぎ込まれ
ることを渇望するくらい喘いでいた。

ミチオは、頬肌に突き刺さるハイヒールの踵の痛みだけをとても悦び、何よりも彼とあの人の
あいだが、どんどん近くなっていくことがとてもうれしかった。彼は一瞬、息をつまらせる。
ぬめぬめした液汁だけが貞操帯の先端から滲み始め、潤んだ鈴口が、まるで囚われた小魚が
ぴくぴくと泡を吹くように蠢き、貞操帯の透明の樹脂のなかで赤みを帯びるのを感じた。


そのお尻と背中をこっちに向けるのよ…。あの人は冷酷に言い放った。
踏みにじられる愉悦で朦朧としていたミチオは、熱を帯びた体を起こすと床に顔を擦りつける
ようにして臀部だけを宙に突き上げる。

あの人は傍に置いていた黒い重厚な鞭を手にした。彼女はまるで捕えた獲物を吟味するように
ミチオのまわりをゆっくりと這いまわる。ハイヒールの靴音はまるでミチオに永遠の服従を強
いるように聞こえてくる。

そしてミチオの目の前に立つと、垂らした鞭の先端でゆっくりと頬をなぞった。鞭を手にした
彼女はとても輝いて見える。ミチオはその無慈悲な輝きに支配され怯えることに悦びを感じた。
彼女が手にした鞭は、ミチオに容赦なく何かを与えようとし、何かを奪い取ろうとしているか
のようだった。


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