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可愛い弟子
【ロリ 官能小説】

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嘘つきレン-7



「ねえ、どうしてタカは、ボクが五所川原のビデオを持ってるってわかったの?」

ああ、それはな・・。

持っているはずのビデオを見せない理由を考えたとき、幾つかの選択肢があった。
まずひとつ目は、現職国会議員のスキャンダルを収めた貴重なビデオだから、できるだけ他人に教えたくない場合。

これはすぐに消えた。
コイツ自身がオレに五所川原のビデオの存在をわざわざしゃべっているからだ。
知られたくないことを他人に言いふらすバカはいない。

ふたつ目は、本当にビデオを持ってない場合だ。
それもすぐに消えた。
コイツの性癖と性格と財力を考えたら、それもあり得ない。
あり得ない理由がもうひとつある。

「そんなに心配だったら、ミタライって奴に訊けばよかったじゃねえか?」

「え?・・。」

「コピーしたけどバレないかな?って、お前の友達のミタライ大先生に相談すればよかったんだよ。」

「そ、それは・・。」

このマンションの玄関からリビングに向かうとき、途中トイレがあって必ずその前を通る。
そのトイレのドアにはドアプレートが貼ってある。
いつもレンとは、リビングのソファに向かい合って座るから、入り口を背にするオレにそのドアプレートは見えない。
だが、真向かいに座るレンには、常にそのドアプレートは見えていたはずだ。
トイレのドアに貼られたプレートには「御手洗」の文字。
コイツは、この文字をいつも無意識に目の端に捉えていたんだ。
だから、咄嗟に口に出してしまっていた。
「御手洗」つまり「おてあらい」は「みたらい」とも読む。

「なんで奴に相談しなかったんだよ?」

意地悪っぽく笑ってみた。
オレの目を見て、レンもわかったらしい。

「いじわる・・・。」

すねるように唇を尖らせていたアイツ。
そりゃそうだ。
架空の人間なんだから相談なんてできるわけがない。
ミタライなんて、レンの頭の中で作り上げた妄想人間だ。
重度のコミュ障のコイツに、たとえネットの中とはいえ、友達なんてできるわけがない。
存在しない人間が五所川原のビデオを持っているはずがない。
そんなビデオの存在を知っていたのは、コイツ自身が持っていたからだ。
そこに答えに辿り着いてからは早かった。

残すのは最後の選択肢だ。
五所川原のビデオの存在は匂わせるが、見せたくない場合だ。

なぜ見せたくない?
やばいからだ。

では、なにがやばいのか?
五所川原のビデオの中に映っていた女の子がやばいのだ。
まさかその女の子をオレが連れてくるなどとは、レンは夢にも思わなかっただろう。
初めてコトリを見たときのレンの衝撃はオレにも容易に想像がつく。
飛び上がって驚いてたもんな。
なんでこの子がと、レンの頭の中はパニックになったはずだ。
五所川原のビデオに映っている女の子が目の前に現れたんだから驚かないはずがない。
同時にコイツは、すぐにこう考えたはずだ。
五所川原のビデオをこの子に見られてはマズい。
当然だ。
コピーしてはだめなものをコピーした。
それは現職国会議員を破滅させることのできる代物なのだ。
こんなものを隠し持っている、などとバレた日には、回収に来たヤクザどもから、なにをされるかわからない。
コトリは、あのビデオに出ている女の子なのだから、奴らと何か関係があるのは間違いない。
そんな思考に到ったレンは、コトリの口からビデオを隠し持っていることが発覚するのを恐れ、咄嗟に口をつぐむことにした。
だからレンは、五所川原のビデオの存在をオレに隠したのだ。
しかし、キョウコを探す手がかりを得るために五所川原の存在は教えたい。
そこで、ミタライ氏が登場するというわけだ。
そのカラクリに気付いたから、コトリのビデオを出せと、カマを掛けることができたわけだ。




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