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可愛い弟子
【ロリ 官能小説】

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GO!コトリ!-4


コトリは、いつもより姿勢を低くして構えていた。
後ろにある右足よりも、前にある左足に体重を乗せているように見える。

さっきと同じだ。
また、前に突っ込んでくつもりだ。
だが、同じ手が通用するか……。

上体は、基本通り胸を起こしていた。
摺り足でジリジリとにじり寄るが、上半身は、まったく動いてない。
いつもの軽やかなステップを踏んでいなかった。
一気に爆発させるつもりだ。
コトリの右足が、前に出た!
しかし、今度は、相手の方が早かった!
上から、覆い被さるように左の突きを打ち下ろしてくる!

予測してやがった!
やばいっ!!コトリの身体は、前に出てる!!

絶好のカウンター!
目をつぶりそうになった。
前に出たはずのコトリの姿がなかった。
フェイントだ!!
コトリは、膝と肩の動きだけでヤツを幻惑したのだ。
相手の突きが、むなしく宙を切る。
身体が泳いだところで、コトリが、懐に飛び込んでいく。
素早い左の回し蹴り!
立て続けに2発!!
コトリを正面に捉えようと、ヤツが身体をひねらせる。
それよりも早く、コトリはさらに左へ回り込んでいく。
左の蹴りを飛ばすと見せかけて、今度は、右の蹴りをヤツの脇腹にぶち込んだ。
また2発!!
ムキになってヤツが突きを繰り出す。
当たらない!
コトリは、素早い動きで右へ左へと転打を繰り返す!
面白いようにコトリの回し蹴りが決まる。
動きが早い分だけ体重は乗っていない。
だから、主審も有効打とみなさない。
それでも、かまわない。
ヤツを翻弄できればいい。
アイツは、コトリを捉えきれてない。
コトリは、右の回し蹴りを入れた直後、大きく身体を沈み込ませ、相手の足下をすり抜けた。
ヘッドギアには死角がある。
鼻骨を守るためのガードが、足下の敵を消す。
小柄で動きの早いコトリならではの戦術だ。
うまい具合にコトリは背後をとった。
軽くバックステップしたところで、返す刀で大きく前へ突っ込んでいく!
コトリの必勝パターンだ!!
相手が振り返ったところに、思いっきり体重を乗せた回し蹴りを決める!
オレは、勝ちを確信した。
ヤツは、振り返るはずだった。
おそらく、あの場にいた誰もがそう思っただろう。
敵を見失って、振り返らないはずがない。
そんな恐ろしいマネができるわけがない!

しかし……。

ヤツは振り返らなかった…………。
肩越しに、首だけをわずかに向け、ヘッドギアの奥から鋭い眼光で、コトリを捉えていた。
罠だった。
アイツは、初めからコトリが背後から襲ってくるのを待っていたのだ。
巨体から、信じられぬほどの鋭い後ろ蹴りが、コトリを射貫くように突き出された。
コトリは、蹴りの体勢に入っていた。
避けきれない!
直線的に伸びる後ろ蹴りと、円の軌道を描く回し蹴り。
どちらが先に届くかは、明白だ。
コトリの身体が、くの字に折れた!

やられた!!

シホが、短い悲鳴を上げる。
痛いほどに腕を掴んでくる。

……しかし、主審の手が上がらない。
コトリの背中から、突き出てヤツの足が見えた。
脇をすり抜けた!!
とっさにコトリが避けたのだと思った。
しかし、コトリの膝が揺れ、身体が崩れ落ちていく。
芯を捉えなかっただけで、ヒットはしたらしい。
ダメージにコトリの動きが止まる。
ヤツがすかさず振り返り、モーションに入る。
打ち下ろしの右突きだ!!!
コトリは、ヤツの足下で体勢を取り切れてない!
万事休す!!!

「ヤアァァァアァァッッッ!!!!!!!!」

その時、コトリのデカイ気合い声が体育館の中に響き渡った。
ふたりの試合を見ていた奴らは、誰もが、自分の目を疑ったことだろう。
それまで折れていたはずのコトリの身体が、まっすぐに上へと伸びていた。
左足を軸にして、右足が高々と天を突いている。
わずかコンマ数秒の出来事。
コトリは、下から伸び上がりながら、矢のような突き蹴りをヤツに喰らわせたのだ。
足は、ほぼ180度まで広がり、一直線に真上に向かって、きれいに伸びていた。
トドメを刺しに行ったアイツには、いったい何が起こったのか、わからなかったに違いない。
ヤツの顔が、ものの見事に仰け反っていた。
豪快に顔面にヒット!!!

えっ?……。

顔面?……。

ビィーーーーーーーー。

直後に、試合終了のブザーが鳴った……。


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