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今から恋を始めよう
【女性向け 官能小説】

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吉野さんは私を試すように笑った。

「麻子ちゃん、彼氏いないでしょ?」
「・・・・」
「モテるのにねぇ〜。なんで?」
「・・・・」

黙っている私の横で、清算を済ませた。

「さて、ご飯でも食べに行こうか」

そう言って席を立った。
まだ肌寒い春の夜はスプリングコートを通して風が身体にしみた。

ほど近い居酒屋に入ると
吉野さんは適当に注文を済ませ、また私に向き直った。

「で?なんで彼氏を作らないの?
うちの会社、いい男たくさんいるだろ」

ほんの少し真面目な顔をしてそんなことを言う。

「別に、今は誰とも付き合うつもりはないんです」
「へぇ〜・・・」

そう言って私の目の奥を覗き込む。
言葉以上の、気持ちを探るように。

「まぁ、男にかまけてたらこのプロジェクトには呼ばなかったけどね」

もう季節的に鍋はそろそろ終りか〜なんて独り言をつぶやいて
美味しそうに食べながら私に笑いかける。

「じゃぁ、俺と寝ても差し支えないね」




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