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『受験生の夏』
【学園物 官能小説】

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『受験生の夏』-1

「暑いなぁ…」
毎日通う塾までの道程は、蜃気楼でも見えてしまいそうに暑かった。私は和美18歳。大学受験に向けて必死の高校3年生。学校ならルンルン気分で行くのだが…やはり塾に行くのは気が重い。
クーラーの効いた室内に入ると、一気に汗が引いた。寒い位だ。時間に余裕をもって教室に入ったが席が既に満席状態。空席は…げげっ最前列の真ん中だ。いつも避けてた席だったが、(きっと集中できるさ)と自分を元気づけて座る。今日から一週間は英語を受講する。新しい先生はどんな人なのだろうかとどきまぎしていると…しばらくして先生登場。茶髪で長身、中肉中背といった感じ。「では始めます」礼をして授業開始。もの凄く分かりやすい。一学期もこの先生の授業を受けていられたら今頃はもう一クラス上のレベルにいられたはず…と思う程だ。しかし。先生の口調は激しい。
「こんなのもできないで『受験生』を名乗ってる奴を稀に見るが…」
「公式を覚えてそれで満足して活用するのは全くできないような奴はせいぜいもう一年頑張って下さいね」
…恐ろしい。授業が終わり、私はどうしても分からない点を勇気を出して質問する事にした。講師室を覗くと先生が煙草を吸っているのが見えた。勇気を出す。
「す…鈴本先生」
「おー?」
思ったより優しい対応。質問事項をさくさくとこなしてゆき、あっという間に私の疑問点は解消された。
「ありがとうございます」
そこで終わりにするはずがふいに私は口が滑った。
「先生はいつもあんなに恐い授業なんですか?」
すると鈴本先生は
「ん〜本当はあんな事言いたくないけど受験生の気持ちを引き締める為にね」
とにやにやしながら答えた。…この先生本当は凄いおもしろい人なんだ!
そして翌日から私はもっと早く塾に行き、最前列の真ん中に陣取った。先生の恐い口調や皮肉もなんだか軽いジョークに聞こえ、くっくっと笑った。すると周りも笑うようになってきた。先生が睨みをきかせて
「受験生は一日25時間勉強しろ」
と言っても前なら皆は震え上がるばかりだったが、今では先生がジョークで言っている事を知っているから、皆爆笑しつつ(よし、ちゃんと勉強しよう!)と気持ちを引き締めた。私は毎日授業後は質問事項を無理矢理捜し出し、講師室へ直行した。先生の人柄が大好きになっていた。質問事項が終わった後は人生相談や世間話。いつしか私は鈴本智朗先生を「智先生」と親しみを込めて呼ぶようになった。講習4日目。残り2日になった夜、家で復習をしていると髪がぱらりと顔にかかった。ふわっと煙草の匂いがした。智先生の匂いだ。急に集中力が切れた。着ている服を脱ぎ、顔を埋める…あぁ、先生の煙草の匂いが染み付いている。そして私はとうとう自分の気持ちに気付いた。智先生、あなたが好きです。
講習5日目。いつも席でいつもの智先生の授業を受けながら、私は授業なんてほとんど集中できなかった。智先生の顔をじっと見ていた。授業中の毒舌と授業後のギャップが私には魅力的だった。この人は本当に塾のベテラン講師なのだろう。そういえば塾の講師になって15年経つと言っていた。ノートの隅に計算する。あれ?先生もう40近いんだ。…18歳の少女が40男に恋してよいものかどうか、そんな事分かるわけもなく、私はその日も講師室へ行った。簡単な質問とたわいもない
会話。でも明日で講習は終わってしまう。もっと先生の事知りたい。
「智先生はどこに住んでるんですか?」
「秘密ー。」
「えー。じゃあ結婚してるんですか?」
「秘密ー。」
…個人的な質問はうまくかわされてしまう。その上、
「ムダ話してる暇があるなら単語の一個や二個覚えなさい」
だって。しょうがないから私か帰宅。やりきれない気持ちでいっぱいだった。明日で終わってしまう。2学期は違う先生かもしれない。あんないい授業もう受けられないかもしれない。いや、もう智先生に会えなくなるかも。そう考えると涙がでてきた。
家に着き、机にノートを広げ今までの授業を振り替える。ふと、また煙草の匂い。今日も私には智先生の煙草が染み付いていた。知らず知らずのうちに私の手は下半身をいじり始めていた。回転椅子がギシギシ音をたてる。
「んっ…先生ぇ…」
煙草の匂いを吸い込みながら私は仰け反る。あっという間に下着は湿り、指先には粘り気のある粘液がまとわりついていた。私の頭のなかで智先生は裸になり、大きな手で秘部をまさぐる。私はまだ処女だったからあまり具体的な妄想はできなかったが、それでも十分だった。
「あぁあっ…先生…好き…」
そうして私は果てた。


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