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ヒューマン・ロール・プレイ
【調教 官能小説】

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〜 音楽その3 〜-2

「私たちの首輪ってさ、データロガーでもあるわけよ。 あ、データロガーっていうのは、情報記憶装置って意味だよ」

 茫然となる私と22番さんに、【B29番】先輩も体験談を教えてくれます。

「多分、私たちがイッたときにどういう刺激があったのか、記録してると思うんだ。 で、椅子には極小サイズのスタンガンが仕込んであるんだけど、そのスタンガンがいきなり伸びてきて、乳首とクリトリスを、シピッと弾くの。 電気ショックつきでね。 パチッ、パチパチパチッて感じで、それがちょうどイくときの感覚なんだ。 すんごく気持ちよくて、もし一瞬でも『イキたい』って思ったら、間違いなくイけると思う」

 【B29番】先輩の頬が、心なしか赤らんでいるように見えます。 

「自分の身体どころか、心まで電気でコントロールされるって、今考えたら悔しいんだけど――完璧に操られてたな。 電気振動に合わせてイキたくてイキたくてしょうがなかった。 指導がくるって分かってても、そんなのどうでもよくなるくらい――」

 大きく息を吸い込んで間をとってから、

「――ほんっとに気持ちよかった」

 溜息まじりに【B29番】先輩がいいました。

「そ、それって我慢できたんですか?」

 22番さんが尋ねます。

「ん〜〜、我慢できたっていうか……どうなんだろ。 真正面からじゃ我慢できなかったな」

 しばらく首を捻ってから、

「必死に歌のことだけ考えて、それでもダメなら前の席に座ってたコの髪の毛の数を数えて……気を紛らわしてやり過ごしたよ。 とにかくちょっとでも自分のクリトリスを気にしちゃダメ。 一度でも考えたら頭から離れないからね。 遅かれ早かれ、ピュッて潮を吹く羽目になる。 乳首にしてもクリトリスにしても、考えずに済めばどうにかなると思うよ」

 神妙に【B29番】先輩は話してくれました。 なるほど、考えずにやり過ごす、ですか。 頭の中は別のことを考えながら、単純作業する感じでしょうか。 それだったら私の得意分野です。 ちょっとだけですが、合唱の時間に光りが見えた気がします。

「あとは〜地味ですけど〜オシッコを我慢しながら歌うのも辛かったです〜」

「いえてる。 授業が始まっていきなり、膀胱に300mLも生理食塩水を入れられたっけ」

「あと〜水も1Lは飲まされてましたよ〜。 しかも利尿剤入りで〜」

「そうそう、思い出した。 あの薬って相当キツイやつだよね? だって最初に飲んだ時なんて、最初の1分がたたないうちに、クラスの半分くらい漏らしてなかった?」

「覚えてないなぁ……ちなみに、あたしは30秒で漏らしちゃいました……」

 22番さんと顔を見合わせます。 我慢強そうな先輩が、たった30秒で? 利尿剤なら何回か飲まされましたが、そこまで強力じゃありませんでした。 ということは、つまり学園には私たちが体験していない薬がまだまだあるんです。 その度に自分の限界を引き上げなければいけないなら、私たちはあと何度限界にぶつかればいいんでしょう?



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