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ヒューマン・ロール・プレイ
【調教 官能小説】

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〜 家庭科その1 〜-1

〜 2番の特訓 ・ 家庭科その1 ・ 裁縫 〜


 本日は書道に続き、2科目目の『家庭科』の特訓です。 今日受講した書道の授業は、クラス的に――というよりは、むしろ私にとって個人的に――前回とうって変わって無事に済ませることが出来ました。 特訓の成果だと思うし、悔しいですけど、22番さんがうまいことやったなぁって思います。 みんなが彼女を見て、ついでに私も見る感じでした。 私たちが上手にこなして、それを忠実に真似たから、クラス全体が授業の形をつくることができました。

 まあ、クラスは置いといて、私個人は誰よりも素早く綺麗に書道ができたと自負しています。 むろん、22番さんよりも、です。 そういうわけで特訓の効果が覿面(てきめん)だった以上、私はやる気マックスです。 棚ボタ的にゲットした特訓のチャンス。 しっかり生かさなくちゃ、もったいないお化けがでちゃいます。

 食事を済ませ、自室をでます。 【B2番】先輩は今日はお休みだそうで、ばいば〜い、笑顔で見送ってくれました。 1人3Fの相談室にいくのは、ちょっとドキドキしますね。 基本的に寮内の移動は直属の先輩と行動を共にすることが基本です。 

 相談室についたのはピッタリ19:30。 特訓予定時刻の10分前です。 急ぎすぎたかな、私が一番最初かな、なんて思ってドアをノックしたら、返事がしました。 ドアを開ければ、22番さんが部屋にある埃を拾っているじゃないですか。 私より先に来てるってことは、先に夕食を済ませたんですよね。 私、全力で食べたんですけど……アレより早く食べたって、どんだけ早食いですかこの子……しかも殊勝に掃除アピールだなんて小賢しい……。

 しょうがなく私もゴミを拾います。 とはいっても普段から掃除が行き届いている寮なので、ほとんど何もありません。 1つか2つ拾ったところで、時計の針が40分を指しました。 時間ピッタリに、背後でドアが開きます。 私と22番は、慌てて直立して背筋を伸ばしました。

「おっ、ちゃんと揃ってるね。 上出来だ」

「当たり前です。 『にに』たちを待たせるなんて有り得ません」

 先に入ってきたのが副寮長の【B29番】先輩。 続いて小柄な、確か【B22番】先輩です。 と、【B22番】先輩と目があいました。 怪訝そうにこっちを見てから、ああ、と頷きました。

「貴方が2番です? つうの後輩っていう」

「は、はい! 私もご指導いただけますでしょうか!」

「ふぅ〜ん」

 小さい背筋をさらに屈めて、腰に両手をあてて、下からゆっくり覗き込んできます。 ジットリした視線、細めた目……なんだか嫌な感じがしました。 ちょっぴり意外です。 【B22番】先輩はあっけらかんとした、可愛らしい人かと思っていたのに、目がめちゃくちゃキツいじゃないですか。 瞳孔が針の穴みたいに小さくて、まったく笑ってないし……冷や汗がでます。

「あ、あのっ……が、がんばります! クラスの模範になってみんなの役にたてるように、一生懸命教わります!」

「……ふふっ」

 私をジロジロ遠慮なくみつめる【B22番】先輩が、やっと笑ってくれました。 と、耳元に口を寄せ、

「……それ、本気でいってるです?」

 ポソッ、私にだけ聞こえる小声です。 

「えっ」

 思わず固まってしまったところに、

「だとしたら超ウケるんですけど」

「え、あの」

「ぜーんぶ嘘。 実は自分のためって、綺麗な顔にかいてるです」

「そ、そんな……ほ、本気でクラスのこと考えて……!」

 背筋がゾクッとして、思わず大きな声を出してしまいました。 しかも、ちょっと上擦ってしまった気がします。 私がクラスなんてどうでもよくて、自分のことしか考えていないって、まさか【B22番】先輩が気づいているんでしょうか? だって、ほとんど面識ないのに、分かるわけないじゃないと思います。 何か勘違いしてるとしか思えません。

「ま、別にいいですよ。 あんまり気が進みませんけど、せいぜい上手になってくださいです」



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