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月が闇を照らす時
【コメディ その他小説】

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月が闇を照らす時-2

「おーい。凪ちゃん〜。 今日の広樹さんといい凪ちゃんといい。何故、人を無視するのでしょう」
「いや、無視しているわけじゃなくて…ただ聞こえないほどに頭を働かせているだけさ」
それにしても計算能力がとても低い奴だなと思っていると、急に凪が立ち上がった。
「どうした? 分かったのか?」
俺の声が聞こえたのか聞こえなかったのか、どちらかはよくわからないが凪は腰の木刀をスッと抜いて青眼の位置に構えた。
木刀が青白いオーラをまとい始める。
木刀が俺たちが勉強していた机に向かって叩きおろされる。
「品垣君 止めたまえ」
凪の振るった木刀は机に触れるか触れないかでぴたりと止まり。木刀を覆っていたものも空気中に放散するように散った。
声の主は白鳥流。白ランを着込み、やけにオシャレなノンフレームめがねをかけている。だが、同級生の女性に対して君付けする口調からさっしてもらえればいいのだが。なんかすごく絡みずらい奴である。
「生徒会長としては、できれば備品を壊すのは遠慮して欲しいものだが」
そういえば、生徒会長だったんだよなコイツ。
「すまない。 我を忘れていた…」
「君の場合は忘れ過ぎだ。 今月だけでも3件 今のをもし壊していれば4件目だ。 本来なら退学、良くて無期謹慎なのだよ。 分かっているのかね?」
白鳥は声色こそ変えなかったが呆れ顔をまでは隠せないようだった。
「分かっているが…、どうしても体が勝手に動くのだ」
凪はシュンとして席に力無く座った。
「まあ、君はスポーツとくたい生なのだから。 試合で良い成績を残すことができるからな。教師陣を丸め込むのは、たやすいのだがね」
つまり、凪の問題行動は白鳥の工作によって大目に見られている。 と言うことか。
「さて、前置きが長くなったが… 好野、西島君」
「何だ?」
「…… 本業の時間だ、今回は先ほどの備品破壊未遂の件の罰として、品垣君にも同行してもらおう」
俺と緑の本業。それは、悪とたたかうヒーローのような者の親戚。というか、害虫駆除。というか…「また、出たんですか…」
緑ははーっとため息混じりに勉強道具を鞄にしまっている。「二人の本業… と言えば…」
凪は少し嫌な顔をする。
「あぁ。 ドミド退治屋だよ」
はい。説明しよう、ドミドとは。 人類はナノ・マシーンによりオーラを操ることができるようになったのだが、それには一つ大きなデメリットがある。 オーラによって物理や科学の法則など、この世にある秩序と言うのは意味をなさなくなってしまっている。
先ほどの緑の風も、ものの見事に秩序を無視している。
まあ、その秩序を無視すると世界に負担(カオス)がかかる訳で。 世界はカオスがたまってくると何とかしてカオスを外に出そうとするんだなこれが。
その結果、カオスの塊が実体化して人々に危害を加える。それらを総称して、ドミドと呼ぶ。勉強になっただろう?
「好野、一人で何をぶつぶつ言っている。二人はもう行ったぞ」
周りを見ると、確かに二人の姿は残像すら残さずに消えていた。

俺たちがドミドを発見したのは、それからすぐの事であった。
校庭の端に立っている一本の銀杏の木。この木の下で告白するとうまく行くとかなんとか…。
そんな噂が流れて、今ではうちの学園のシンボルとなっている。
その銀杏の木に沢山の生徒が一定の間隔を取って半円を描いていた。
「あい、ちょっとごめんよ」
野次馬をかき分けて銀杏の前に歩みでる。
木には真っ黒のバレーボールが四つか五つ数珠つなぎになったようなドミドが数匹、幹に絡みついていた。
ドミドたちは俺たちに気づき一斉に頭(っと言っても頭も尾も同じ形だし、目や鼻がついている訳でもないから、明確に頭とは断定できないが)をこちらに向けた。
「おうおう、いきり立っちゃって。 よし、行け二人とも!」
「命令するだけか! 自分も戦ったらどうだ」
凪が突っ込んできたドミドを叩き伏せながら、こちらに向かって叫んだ。


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