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年下カレシ
【女性向け 官能小説】

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再会-1


気がつけば奈々子は、謎の青年―――葵と出会ってから1週間が経とうとしていた。
あれから彼女は、幸か不幸か夜勤と通常勤務が続いて、
休みがなく、がむしゃらに働いていた。

幸雄はあの別れた夜、何度も彼女に電話をくれたようだった。
葵が帰った後、スマートフォンを見ると
何件も彼からの着信があったことに気がついた。

それにメッセージも来ていた。
『ちゃんと話し合おう。』
というような事が送られてきていたが、彼女は返信しなかった。

最低な女だと、彼女は自分でもわかっていた。
幸雄ときちんと別れ話をする前に自分は逃げて、
勢いに任せて若い男とセックスしたのだ。

しかし、奈々子は幸雄の元に戻る気はなくなっていた。
彼といると、結局はいつも彼の思惑通りになってしまうから。
倦怠期は別れのいいタイミングだったのかもしれない。
そう思うようになっていた。

長年付き合っていても、その彼が結婚相手とは限らない。
―――そういえば、なにかの雑誌に書いてあったな。
彼女はそう思い出す。

この1週間、幸雄との事を思い出すより、無意識に葵との出来事を考えてしまう。

葵とつきあっている訳じゃないのに・・・、
彼と結婚できるわけでもないのに・・・、
なぜか彼を心の拠りどころにして、過ごしていたのだ。

彼女は自分が葵とどうしたいのかわからずにいた。
名前と電話番号しかわからないのに。
彼が何者かもわからないのに。
たった1回セックスしただけの関係なのに。


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