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あるお伽噺
【ファンタジー 官能小説】

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愛しい人-4

「私、私 は ずっと あな たを待って いたの に・・・。
あ の村で、ずっと 一人で 待っ ていたの に・・・。
どうして、どうして 帰っ てこなかったの?」

「お前だって、俺と再会した時、俺がわからなかったじゃねえか。」

「だって、それは・・・。ずい ぶん髪の毛だって 伸びて、目つきも 
なんだか違っていたから・・・。
それに口調だって、違う んだもん・・・。こんなに、 怒りっぽく なかった!」

「・・・俺はすぐにお前だってわかった。」

「じゃあ、 どうして 教えてくれなかったの・・・?酷いよ・・・。」

「俺は昔の俺とは違う。お前の思い出の中のラウルはもういねえ。
・・・お前も聞いていただろう?お前と別れた後、俺は記憶を失った。
記憶が戻った時には、俺はもう盗賊として脚を洗えなくなっていた。

盗賊として暮らしている俺を、お前は受け入れられるのか?」


ラウルはまっすぐとティアラの目を見つめた。

「・・・・。」

彼女はすぐに答えることが出来なかった。


「だから俺はお前に言わなかった。
お前が母親を見つけたら俺はそのまま去るはずだった。」

「嫌だっ!もうどこにも行かないでよ!私にはあなたが必要なの。」

「俺といたら、お前は不幸になるぜ。」

「そんな事ない!私、受け入れるから。どんなラウルでも、あなたを愛しているの。
もう離れたくない。」


そう言ってティアラは浴槽からバシャンッと出て、
しゃがんでいたラウルに両腕をそっとまわす。

ラウルもティアラを抱きしめ返す。


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