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あるお伽噺
【ファンタジー 官能小説】

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滅ぼされた村-3

ティアラはこのまま彼といつまでも一緒にいられると思っていた。
しかしその願いは無残に消えてしまう。
彼はティアラの前から姿を消してしまったのだ。

ラウルの父親は狩人だった。
そんな父の姿を見ていたラウルは、父親の真似をして、
森の中へ行ったっきり帰ってこなかった。
村人たちが彼を探したが、彼は神隠しにあったように忽然と消息を絶った。
きっと森の王者に食べられてしまったんだろう。と捜索は打ち切られた。

しかしティアラはラウルが死んでしまったとは信じなかった。
彼の両親が諦めても、彼女は今でも待ち続けている。
彼が再び彼女の前に現れてくれる日を・・・。
あの眩しい笑顔で彼女の名前を呼んでくれる日を・・・。


ラウルが消えてしまった日から、ティアラの心の時間は止まってしまった。
彼女は彼以外に愛する人なんていない、これから先もずっと。

そう決めて、心を閉ざしてしまった。

彼女の両親は自慢の娘を、どうにかして立ち直って欲しいと願い続けて、
8年もの歳月がたってしまっていた。
また誰かを愛して、幸せになってほしい。

その一心でティアラの両親は、これまで過ごしてきた。


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