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あるお伽噺
【ファンタジー 官能小説】

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滅ぼされた村-2

ティアラはこの小さな村で、父と母と三人で暮らしている。

彼女の父親の主な仕事は木こりだ。
手が空いた時には畑仕事を手伝ったり、牛や馬の世話だってする。
彼はとても働き者で、村人たちからの信頼も厚かった。

彼女の母親は、この村一の・・・いや、この辺の集落一の美貌の持ち主だ。
もともと彼女はこの村の者ではなかったが、彼女がこの村に住み始めると、
村民たちは色めきだった。
隣町の者たちも、彼女を一目見るためにこの村にやって来たほどだ。

しかし、彼女が選んだ伴侶はごく普通の男だった。
美男でも不細工でもない男と結婚した時には、大勢の者たちが落胆した。

ティアラは幼少の頃、自分の両親をとても自慢に思っていた。
優しいお父さんと美しいお母さん。
二人はいつも彼女の傍にいて、村人たちとも仲良く暮らしていた。
ティアラも何不自由なく、すくすくと育っていった。


しかし彼女の心がぽっかりと空いてしまったのは、彼女が8歳の頃だった。


彼女には近所に住む、ラウルという少年と、とりわけ仲が良かった。
幼いながらにも、彼らはお互いに恋愛感情を持っていた。
大きくなったら結婚する、と周囲の大人や友人たちに言っていたほどだ。

ラウルはとても活発な少年で、いつも楽しそうに無邪気に笑っていた。
ティアラは彼といる時間が何よりも好きだった。
毎日飽きることなく、二人は遊んでいた。


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