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ホントの気持ち
【元彼 官能小説】

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ホントの気持ち-1

「…別れよう、俺達」
「…何で急に?どうしたの、柊司(しゅうじ)…?」
「本当にごめん。他に、気になる奴出来たんだ…。ごめん、本当。」
「………そっか…。柊司がそう決めたなら、仕方ないや。お互い受験頑張ろうね!(>ч<)」
「おう、頑張ろうな(^^)…本当にごめん。じゃ、また。」
「またね、ばいばい〜(*^^)ノ」
…カチッ…。
携帯を閉じる音が、狭い部屋にむなしく響く。
「フラレちゃった、かぁ…」
突然、どんどん涙がこみあげてきて、気が付いたら声をあげて泣いていた。コンポから流れていた曲が、さらに私の気分をあおる。
Iwishforever…
「いやだよ…柊司…。行かないで…」

「…あんな事も有ったなぁ…」
「ん?」
一緒にお茶してた友人、林美妃(みき)が目を上げてこちらを見る。あ、自己紹介が遅れました。私、塩谷茉莉(まり)、この春入学したばかりの、大学1年生です。友達の美妃とは高校からの付き合いなんだけど、大学が一緒で家もそこそこ近いし、何よりとっても気が合うからいつも一緒にいるんだ。
「ううん、高校の時の事思い出しちゃって。あの頃は若かったなぁってさ。」
「あぁ、関口くんの事ねぇ…。彼は今頃何してるんだろうねえ?」
「さぁ…大学受かったのは知ってるけど、それ以外はさっぱり。連絡全くとってないしさ。」
今話に上がってる柊司こと関口柊司は、皆さんお気づきの通り、高校の時に付き合っていた私の元カレ。体も重ねた仲で、凄くうまくいってたんだけど…突然、フラレちゃって。正直言って、まだ彼の事…心の隅では引きずってるんだけど、誰にも言ってない。…みんなに、心配かけちゃいけないしね。この気持ちを伝える事は、もう無いんだろうな…。そんな事を考えながら、紅茶をすする。
「あ!じゃあさぁ、あの時のクラスで同窓会しない!?」
「えぇっ!?」
思わず立ち上がる私。視線が集まる。
「す、すいません…」真っ赤になって、イスに座る。
「何よ〜動揺しちゃって。何かまずい事あるの?」
「いっ…いえ、無いです…。」
「じゃあ決まり!そうとなったら即行動よ!茉莉、クラスの人に片っ端から連絡するわよ!」
「は、はぁ〜い…」
力の無い返事をしながら、ため息をつく。柊司、来るのかなぁ…?
その後私たちは授業をサボってみんなに連絡をとって、2週間後の日曜日の夜にやるって事になった。それにしても、美妃って行動早過ぎ…。
翌日のこと。
「おぅ、茉莉に林。同窓会やるんだって?」
そう言って向こうから歩いてきたのは、仲谷昴(すばる)。この人も中学が同じで、あの時…あたしと隼人が付き合ってた時にクラスが一緒だったの。大学で学部が一緒になってから仲良くなったんだ。
「そうなの!仲谷くんはもちろん来るでしょ?」
「あぁ、もちろん。茉莉も行くだろ?」
「えっ!?あぁ…うん…。」
「あ!じゃあさ、仲谷くんその日は車で茉莉を連れてってあげてくれる?この子一人で行かせるの心配で…。あたしはダーリンに送ってもらうからさ♪」
「あぁ、いいよ。じゃあ、夕方にお前んち行くから。」
「えっ…あ、うん。ありがとう…。って、美妃失礼ねー!いくら方向音痴のあたしでもそれぐらい一人で行けますー!」
「はいはい。じゃあお邪魔虫はこれで失礼するわ♪仲谷くん、茉莉、またね〜!」
「おう、またな!」
「ちょっと美妃!話はまだ終わってない〜!!」
「まぁまぁ落ち着けって。この俺に任せなさい!」
「昴だから心配なんじゃない…」
「ん?何か言ったかなこの口が?」
「いひゃい〜!やめれ〜!!」
…とまぁ、あたしと昴はこんな仲良し(?)の関係なんだけど。仲が良すぎるせいか、付き合ってると思われる事もしばしば。しかも美妃は最近あたし達を二人っきりにさせたがるし…。もう、何なのよー!?

…と、こんな風にどんどん毎日は過ぎていって…。ついに同窓会当日。
「…ど、どうしよう…。」
洋服が決まらない!!スカートがいいかな…それともラフにジーパン?メイクもまだ終わってないのにぃー!
ピンポーン。
「茉莉〜そろそろ行くぞ〜?」
「きゃ〜昴待って!あと5分!」
「おまえ、それ言うの4回目だけど…。」
「うえーんごめんってばぁ!」
…これで、いっか…。ようやく決まった服装は、ひざ上丈のスカートにきれいめのカットソーを合わせたシンプルなものになった。普段はカジュアルな服が多いあたしにしては頑張った格好。本音言うと、柊司がスカート好きだったってのもあるんだけどね…。
「お待たせっ!」
玄関のドアを開けると、不機嫌そうに立っていた昴が一瞬驚いたような顔をする。
「え…なんか変…?」
「……いや。何でも無いよ。さ、行こっか!」
「うん♪」
…何だか、さっきから昴の様子が変だ。運転しながら、助手席のあたしのほうをチラチラ見ている気がするし、何より落ち着かない。


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