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だって悪魔だもん。
【ファンタジー 恋愛小説】

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だって悪魔だもん。-1

 この世界は物質にあふれた現実の部分と生き物の感情からうまれた精神の部分が存在し、それらが互いに影響しあって成り立っている。これはそんな世界のお話。


第一章
俺の名はアーティ・チョーク。このピーチカーネル市に住む悪魔だ。と言っても外見は人間と変わらない。生活も人と同じだ。何が違うかと言えば、俺は精神世界の悪い感情から生まれたこの世における絶対的な悪、つまり悪として絶対的だから、俺以外の人はみんな正義ってことになる。俺以外の人にとってはなんだかやけに都合のいい考え方みたいだけど、特に俺は気にしていない。なにしろ姿、形は人と変わらないんだから、言わなければバレないってわけ。
 喫茶店『オリーブ』、ここが今の俺の仕事先だ。と言っても立場はアルバイターだけどね。『アカデミー』を18歳で卒業してから3年間、俺はバイトを転々としている。
 「悪魔ぁ!?」
「そう!あ、でも悪いことはしないよ。」
 「で、そんな人と付き合って大丈夫なの?」
 「えっとぉ、さあねぇ。でも危険な香りがするだろ?どうだい、ステビア、一度デートしてみないかい?」
 「あ〜、…それはやめとく。もう少し気の利いたジョークが言えるようになったら考えてあげるわ」
そして行く先々の女の子に声をかけてはフラれているのさ。そんな俺にも大きな悩みがある。それは…
 「おいオレガノ、テーブル一つ片付けるのにいつまでかかってんだ!」
 店長の罵声が飛ぶ。今日の仕事はこの喫茶店一トロいオレガノと一緒だ。
 「おいアーティ、お前手伝ってやれ。」
 「はーい!…まったく、あいかわらず遅いなお前は。」
 「ご、ごめんねアーティ。」
 俺はソツなく仕事をこなした。別に俺は特別仕事が出来るわけではない。オレガノはもう20歳だが物覚えも悪く、機敏さもない。要するに使えないヤツってわけ。しかしこのオレガノのようなヤツこそが俺の悩みの種なのだ。なぜなら…
 「ねえアーティ、またフラれてたよねえ?」
 バイトの帰り、更衣室でオレガノが話しかけてきた。仕事中はそんな事なく話していたのに今はなんだか感じの悪い口調だ。それもそのはず、更衣室には交代で入るベル・ガモットがいる。オレガノは『ベル派』の人間だから、兄貴分のベルがいるときは、強気になるんだ。俺の一番嫌いなタイプ。
 「よお失恋大将。これからもその調子で俺たちを笑わせてくれよ。」
 ベルが話しかけてきた。俺はムッとしたまま二人を無視して更衣室を出た。
 そんなオレガノやベルの態度が、彼らの人生に運を呼び込むということが最も腹が立つ。おっと、これには説明が必要だな。
つまり悪魔は悪として絶対的だから俺を憎む感情はどんなことだって正しいことになる。人は、正しいことをすればするほど正しい人間になれる。なんだそれだけかって思うかもしれないけど、この世界には精神でできた部分があるんだ。
正しい人間には正しい精神が影響する。つまりその人の人生が有利な進み方をする。もっと簡単な言い方をするなら、運が良くなるってこと。まあ本人は気づかないだろうけど。
 これが俺の運命かと思うと、なんだかやりきれない気持ちにもなるが、でもしょうがない。だって俺、悪魔だもん…。


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