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セクハラ研修会
【OL/お姉さん 官能小説】

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第一話-2

その大講堂から、やや離れた場所にある
別の小会議室。やはり、他の者たちと同じようにこの研修会に臨んだ
数名の新入社員がそこに居た。

皆が女性社員用の制服に身を包んだ
いわゆる新人のオフィスレディである。

時を同じくして講堂では研修の真っ最中であるのに
自分達だけなぜここに通されたのか
彼女達は理解できず、もう一時間近く立たされたままで当惑していた。

「全く、どういう事なのかしら?」

艶やかな黒髪を腰まで伸ばし、細く長い足に、高い腰と引き締まったヒップ。
長身のモデル体型を制服で包んだ
釣り目がちで気の強そうな女性が、不服そうに口を開く。

どうして私達だけ、こんな場所で放ったらかしにされてるわけ?」

誰に言うでもなく、ハスキーなボイスで不満を垂らす。
その声を受けて反応があった。

「みゆちん、お腹がすいたですぅ〜。チョコレート持ってくればよかったにゃぁ〜。」

声だけ聞いていると一回り年齢が下なのではと思えるような
甲高いロリータボイス。独特の抑揚と言葉選びをしながら
だらしなく語尾を伸ばして別の女が愚痴り始めた。

ツインテールで結った髪の毛をぴょこぴょこ動かしている彼女は
声と同じように、お子様な印象を与える一際小さな身長と
服越しでも、女性としての膨らみは乏しい事が見て取れるぺたんこ体型。
大きくて丸い瞳をクリクリさせたベビーフェイスである。

「……貴女、その喋り方、なんとかならないの?」

モデル体型の女は、露骨にイラついた表情を浮かべながら
そんな彼女を横目で睨む。

「みゆちんはむかしっからこうゆう喋り方だも〜ん。
こ〜ゆ〜声と喋り方のオンナノコが大好きっていう男の子もいっぱいいるんだにょ〜。
みゆちんはそんなみんなの、きゅるるんなアイドルなのだ☆」

自分に対しての露骨な敵意にも全く怯んだ様子を見せず
おどけるような口調で、時折意味不明な単語も交えて喋りつつ
パチッとウインクしてみせるロリロリ女。
きゃぴきゃぴしたその物腰には、ある意味での図太さが見受けられた。

「くっ……!いちいち、癪に障るコね……!」

自分が生理的に最も嫌悪するタイプの同性なのだろうか
怒りを露にして、モデル体型の女は今にも掴みかからんばかりの剣幕。
訳も解らぬ状態で放置されている事のストレスも加わり
重苦しい空気が室内に漂った。

「はぁ……。こんな低次元な人たちと
これから同じ職場なのかと思うと、気が滅入るわね。」

ショートカットの髪型をサラリと掻き分けながら
度のキツそうなシルバーのメガネをかけた別の女性が
ため息混じりに呆れた表情で声を漏らした。

「て、低次元ですって!?」
「ですって〜!?……んにゃ?低じげんってどうゆう意味です?」

キッとメガネ女の方を振り向き、食ってかかる片方。
言われている事の意味がよくわかっていない片方。

「自覚もなかったらしいわね。
自覚なき愚者ほど救えない存在はないわ。」

肩をすくめてみせてから、レンズの奥の冷淡な目で
心底見下したような視線を二人へ浴びせるメガネ女。

「こ、この頭ぽんこつ女はともかく
私のどこが低次元っていうのよ!」

「いうのよ!……頭ぽんこつ?ぽんこつってな〜に?」

引き攣った表情でロリ女を指差さして喚き散らすモデル女だが
指差された方はまたしても言われている事が理解できず
指を顎に当て上目で宙を見つめクエスチョンマークを頭上に浮かべている。

「自分が不平を抱いた事は、TPOも弁えずすぐ口にする。
考えるより先に態度に出す。そういう思慮の浅さが言動に滲み出てて
低次元って言ってるのよ。」

「何ですってぇ!?」

「きっと子供の頃から甘やかされる環境にいた所為で
そういう気性に育ったのでしょうね。
学生時代は、それでも許されてきたかもしれないけど。
社会人になってからも通用すると思われちゃ迷惑なのよ。
納得いかないけど、貴女と同じ会社に勤める事になる人間としてはね。」

「し、知った風な口を叩いてくれるわね!
アンタなんかに私の何が解るって言うのよ!」

一触即発の険悪な空気が場を支配する。
他の女達は遠巻きにその様子を見ながら眉をひそめて
迷惑そうな表情を一様に浮かべてはいるが
誰もが我関せず、触らぬ神に祟り無しとばかり静観を決め込んでいた。その時。


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