第31話-2
「ああ、こんなに……」
愛液が糸を引くほど下着のクロッチ部分がグッチョリと濡れている。
身体が疼いて疼いて仕方なかった。
ソファに座り直し、脚をM字に開いて、すぐに自らの手でアソコを弄りだす菜穂。
「ン……はァ……」
まだクリトリスがヒリヒリする。
バスで3時間もの間天野に責められ続けた場所。
でも今でもここが赤く腫れてしまっているのは、それだけのせいではない。
あれから毎日のように、菜穂が自分でここを刺激していたからだ。
痛いのに、その痛さが気持ち良くて、止められない。
そして膣の方にも菜穂は指を挿入する。
指はなんと3本も。根本まで全て入れる。
クチュクチュ……
しかし菜穂の指は天野の指のように長くはないから、あの奥の快感スポットには全く届かない。
だから菜穂は同時にクリトリスを強めに刺激して快感を得ることしかできなかった。
そして頭の中で想像するのは、やはり天野とのセックスと、そしてバスの中でのあの運転手の視線や社員達からの視線だった。
「ああ、ンッ……はァ、見られてる……見られてるのに……私……ハァ……」
ソファの上で大胆に股を開き、激しいオナニーをする菜穂。
普段の菜穂からは想像できない程卑猥な姿だ。
駄目だと思っていても止められない。毎日してしまう。
しかし、勝手に身体から溢れ出てきてしまう性欲を処理をするためには、この昼間の1人だけの時間が、今の菜穂にはどうしても必要だった。
今はこうやってガス抜きをして、いつか性欲が治まってくれるのを待つしかない。
夫とするのとは違う、全く別次元のセックスで知ってしまったあの快楽を忘れるために。
こんな事は誰にも相談できない。だから自分でなんとか処理するしかなかったのだ。
だがその日、菜穂が1人の時間を過ごしている家に一歩ずつ近づいてくる男がいた。
「ここだな……。」
そしてその男は家の門の前で立ち止まると、インターホンの呼び出しボタンを押した。