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『Twins&Lovers』
【学園物 官能小説】

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『Twins&Lovers』-116

「ジロー……好きなの……どうしようもないくらい……あなたが、好き!!」
 後ろ手に腕を、ジローの首に廻す。そのまま、彼の唇にむしゃぶりついた。
「ん……んふ……ちゅ………ちゅ………ちゅ……はむ……はむ……」
 舌を吸うようにして、激しく絡めあう。息をするのも忘れたように、とにかく彼の唇に噛みつく。
「んぅ! ん、ん、んん、ん―――っっっ!!」
 指の動きも、淫らなことこのうえない。雨によるものか、自分の体から溢れたものか、判別ができないほどに熱くぬめっている。
「!?」
 ふいに、ぶるりと太股が震えた。恍惚とした表情で、唇をあわせていたサキが、慌てたように目を見開いて、口を離す。
「……どう、した?」
 その不自然な動きに、ジローも戸惑いの表情を見せる。
「あ、あの………」
 腕の中で、サキの体がもぞもぞと忙しなく動く。全開状態だった太股の動きが、小刻みに開閉を繰り返している。見れば、あれだけ淫靡に蠢いていた指使いさえ、止まっているではないか。
「どうしたんだ?」
 あれほど悶えていたサキが、なにか急に正気に戻ったように、顔を伏せていた。
「………ご、ごめん、ジロー……ちょっと……」
 サキが、腕から逃れようとする。しかし、合点の行かないジローはその身体をしっかりと掴み、何処にもいけないようにする。急に離れようとしたサキの動き方に、不安が生まれたからだ。
「あ、ちょ、ちょっと………」
「サキ、どうしたんだよ」
「………」 
 ぶるぶるぶる……。サキの震えは止まらない。特に、内股の当たりは、痙攣にも似たひきつけを起こしている。股間の部分に添えている手に力がこもっているのか、それは固く握り締められていた。
「あ」
 ぴん、ときた。
「サキ……小便か?」
「………」
 かああ、とその頬に血が昇ってくるのがよくわかった。どうやら、図星らしい。
 考えてみれば、彼女は雨に濡れたままだ。冷えていた体が、愛撫によって熱くなったのはいいが、その温度差によって生理現象が急に生まれたのだろう。
「…………」
「んー、なんだ、ちがうのか」
 ジローは、胸の愛撫を再開する。
「ひぃ!」
 途端、切羽詰ったような、喘ぎとは次元の違う声をサキは口にした。
「ジ、ジロー……だめ……」
「どうして? あー、サキの胸は可愛いなー。ずっと、こうしていたいなー」
「も……ちょ……だ、だめだって……」
 わかっているのに、胸の愛撫を止めないジロー。ちょっと、イジワルになっているかもしれない。
「なんで、だめなのかなー?」
「だ、だって………その………」
 かっか、かっかと、薪をくべた暖炉の炎を思わせるほどに、その頬が燃えている。
「あ……あ……あ……」
 小刻みに震えるその動きは、やがて大きなものへと変化していった。サキの中で、かなり事態は急迫しているようである。
 時折、抜け出すように蠢くが、がっちりと胸を掴み、それを阻止する。
「う、ううぅぅ………ジロー……お願い……」
 サキが、観念したように、泣きそうな顔で懇願してきた。
「………いの……」
 もごもごと、小さく呟く。そのため、語尾の一部しか聞き取ることができなかった。
 だから、サキの状態を知っていても、ジローは、まだ許さない。


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