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風俗群像
【その他 官能小説】

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北島美枝の話-7

 文枝は出だしよくエステの中に身を入れることが出来て一年目には上の妹の晴枝が看護学校を卒業したので呼び寄せて医大の付属病院へ勤めさせ、下の妹が阪大の医学部合格で一緒に暮らし、少し通学には遠いけれど美枝と一緒に暮らすことにした。

 次の一年目の暮れに弟の直人がグリーンタウンにある医科大学に合格したので、入学金を払って、さらに貯金した金全部を出して中古のマンションを購入して年末に引っ越した。

 美枝の購入したマンションは、階段とエレベータの右側と左側に部屋があるが、左側は5LDKの部屋が階全体を占めて、右側2LDKの小部屋が四つ並んでいる変な形のマンションであった。不動産屋によると階全体をひとつの部屋としたかったが、納まりが悪いのでこんな形になった。と、購入のときに不動産屋が美枝に説明をした。
 そのころになると美枝は夜の仕事のために朝遅くに起床して夕方から出て行くので、二人の妹が家事一切と美枝の子供の彩香の面等を見てくれていた。

 二月の末の金曜日、美枝は熱があるようだったが、店が込むことを知っているので無理して店に出たが、どうも思わしくないので、三人の指名客の相手をしてから早退して家の明かりが見えるところまできて気が緩んだのか意識を失って倒れた。

 後ろを歩いていた男の人が驚いて倒れた美枝を起こすと、マンション向かいの大きい部屋の人だと分かって、背負って美枝の部屋に運んで、いつも話をする妹と一緒に布団に寝かせると携帯を出して電話をした。

 上の妹の晴枝は夜勤で不在阪大生の下の妹の咲枝が美枝の服を脱がせて、寝巻きに着替えて布団を掛けて、連れてきた人はいつも話をしている向かいの村上裕樹で医者であることを知っていたので、指示を待っていた。

「咲ちゃん、たぶん肺炎だと思うのだが、僕は専門が違うので近くの友人を呼んだから、ちょっと待っててね」

「村上先生、どうしたの」

「藤田先生急に電話をして申し訳ない、内科でないからお願いするよ診てやって、道に倒れていたのを背負ってきたんだ」


「村上先生の見立て通りだ。病院の救急車を呼びましょう」

「咲ちゃん、お姉さんの入院の用意をして。美穂ちゃんたちは」

「奥で寝ています。起きないといいんですが」

「晴枝さんは夜勤だよね。後に残る者がいなくてはね」

「どうしたんですか、美枝さん急に帰ったので」

「彩乃姉さん、美枝姉ちゃんが倒れて、向かいの村上先生が背負ってきてくださって」

「こちらの藤田先生が医大へ入院をと、救急車を待っているんです」

「みんな留守になるのね、いいわ、私がここにいますから、大丈夫よ。咲枝さん明日大学は?」

「土曜日で授業はありません」

「晴枝さんは、オペが遅れているの?」

「人が足りないって応援で6階、一時までだそうです」

「村上先生、綺麗な人ですね」

「すみません、美枝さんの同僚の阿部彩乃と申します。このたびは大変にお世話になりました」

「貴女が阿部さんのお嬢さん、綺麗な方だと聞いていましたが、本当に綺麗なお方だ。隣の、今マンションになりましたが、藤田です、お久しぶりで」

「藤田のお兄さん、立派になられて分かりませんでしたは、お久しぶりです」

「救急車が来たよ」

「先生、遅くなりました。担架を持ってきました」


 美枝の入院は一ヶ月になったが、無事に退院が出来た。村上医師が丁度後ろを歩いていなければ生死は分からない程の重病であった。美枝姉妹は村上と親しくなり、美枝が入院している間に村上は美枝の家で食事をするようになっていた。

「咲枝、村上先生をお呼びするのは好いが、ちゃんと料理はしているの」

「お姉ちゃん、心配せんとゆっくり養生して、お母さんの腕をばっちり頂いているから」

「魚ばっかりでしょう」

「そうです、魚美味しいですね、咲きちゃんなかなかの腕前ですよ。お嫁にいけますよ」

「先生、無理矢理この子達が引きずり込んだんではありませんか」

「一人の食事は淋しいですから、有り難く思っています」

「藤田先生も御一緒で、何かありますの」

「検査の結果ですが、異常はありませんでした。それにしても、貴女が北島さんのお姉さんとは、カテーテルの時何時も補助して貰っています」

 病棟の看護師達は、美枝の許に村上と藤田二人の医師が良く現れるのが不思議で、

「あの先生二人、患者が別嬪さんで、張り合ってんだ」

 と、噂をしていたが、時々応援で来る手術場の美人看護師北島晴枝の姉だと知り、なる程美人の筈だと納得していた。


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