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虹色の楽譜
【女性向け 官能小説】

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-5


そう言った私に、照れたように笑うと
「今日はゆっくりできる?」
と聞く。
「う・・・ん」
「そっか。良かった。少ししたらまた演奏時間だから」

「私の名前は、聞かないの?」
「俺を信用できるようになってからでいいよ」

「村松、茜。よ」

私が名前を言ったことに少し驚いて
「ありがと」
と言った後、
仕事中はお酒は身体に入れないんだけど。
この席に座るのに緊張して。飲まずには居られなかったんだ。
とつぶやいた。

第一印象とはずいぶん違う子だな。
ピアノを弾いている時は圧倒的な威圧感で
音・・・ううん。曲を支配している感じなのに。
目の前に来ると普通のハタチの青年だ。

少し話をして、そのうちにまた演奏の時間になった。
「茜さんの好きな曲を弾くよ」

ピアノの曲なんか全く知らないという私に
「そっか」
と、優しく笑って、有名な誰でも知っているような曲を
アレンジして弾いてくれた。

確かに・・・・
楽譜は頭の中に入っているらしい。
演奏中、彼の視線は私から外れなかった。



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