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アパートの鍵、貸します
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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アパートの鍵、貸します-2

 智哉の住むアパートが、大学近くで繁華街へのアクセスもいい割に騒がしくない物件だった
こともあり、商売はすぐ軌道に乗った。主に実家暮らしの連中に重宝されて、口コミでさらに
多くの依頼が舞い込んだ。
 正直、ボロい商売だった。
 うまくすれば、ひと月のバイト分くらい余裕で稼ぐことができた。
 働くのがそれほど好きではない智哉にとって、それは実にありがたい収入であった。

「あー、あのさ、智哉」
「ん?」
「俺今月金欠でさ、そろそろやばいんだわ。代わりに講義のノートどれでも提供するからさ、
今回はそれで勘弁してくんない?」
「……仕方ない。今回だけだぞ」

 中にはこんな風に、現金以外の何かで支払いを済ませる者もいたが、智哉にとってはそれも
悪くなかった。価値のないものを提示されれば、すぐに断ればいいだけの話だ。
 営業時間は基本的に夜だが、講義の空き時間にちょっと、みたいな奴を対象に昼間の依頼も
受けつけている。
 家を空けること自体は何の苦にもならなかった。
 繁華街の近くなので時間はいくらでも潰せたし、何なら漫画喫茶で一晩過ごすくらいしても
全然構わなかった。
 部屋を貸し始めてから、智哉は多くの客と出会った。
 この方が興奮するからと同伴をお願いする者。AVよろしく撮影を希望する者。姿を見せず
物陰から覗いてくれと注文する者。様々な性的嗜好が、日々智哉の前で赤裸々に晒された。
 時には、とんでもないプレイに出くわすこともあった。
「ほら、あたしのおしっこ飲むとこ、ガン見されてるわよ。いいの? これがいいの?」
「おおー、最高だ、最高だー。もっと見てくれー、もっとじょぼじょぼ飲ませてくれー」
 大学で毎日のように顔を合わせる男が、これまた顔なじみの女の尿を浴びながら美味そうに
喉を鳴らす姿を見せつけられた時には、さすがの智哉もちょっと複雑な気分になった。
 しかし、そこは商売。内心では呆れつつも、割り切って要求に応えた。
(我ながら、いい目のつけどころだったよな)
 智哉は心の中で常々、己が生み出した思いつきをそう自画自賛している。
 デメリットがあるとはいっても、それでメリットが消えるわけではない。むしろ差し引きを
考えれば圧倒的にプラス。そう思える時点で、このビジネスは間違いなく成功といえた。
 だがその反面、智哉はこうも思うのだ。


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