投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

衛星和誌 −Qカップ姉妹−
【SF 官能小説】

衛星和誌 −Qカップ姉妹−の最初へ 衛星和誌 −Qカップ姉妹− 102 衛星和誌 −Qカップ姉妹− 104 衛星和誌 −Qカップ姉妹−の最後へ

リリア語り(10)-1

 わたしは、お姉さまこそ、あの調教士さまと結ばれるべきだと思い、そう進言しました。しかし、お姉さまは、これまでわたしが見たこともないような気弱な表情で、渋ったのでございました。
「おいやなわけでは、ないのでしょう? 何を、迷っておられるのです?」
「いやなわけではない‥‥。わたしも、あいつが好きだ‥‥結ばれたい‥‥。しかし、あいつの気持ちも確かめないと‥‥」
「そんなことおっしゃって。ご自分で言う勇気が、ないのでしょう?」
「‥‥それに、あいつに何も与えずに、この星系に残れというのも‥‥申し訳ない気がするのだ‥‥」
 はっきりしないお姉さまに、わたしは、言ってあげました。
「――わかりました。わたしが、折を見て、あの方に申してみますわ」
 これを聞いたお姉さまは、正直にも、お顔をパッと耀かせたのでした。そしてわたしが、
「何かをお与えになる、というのは、わたしには思いつきませんし、その力もありません‥‥。それは、お姉さまがお考えになってください」
と付け加えると、それを承諾し、わたしに拝むようにしたのでした。
 結婚の話はそれきりにして、わたしは、話題を変えることにいたしました。
 ナディーカさまのこと‥‥。
 ナディーカさまが、国璽の押印式に、あの恥ずかしいお姿で自らお臨みになったことには、わたしは感銘を受けていました。しかしその一方でまた、別の想像もあったのでございます‥‥。
「国を背負うプライド、そして、あの子の勇気の現われだろう。――敢えて言うが、あれは、スガーニーのためにもよかったと思う‥‥。コンジャンクションの感想が木星圏中から続々と寄せられているが、そのなかには、あの押印式でナディーカ姫――スガーニーを見直した、という声も多い‥‥」
 プライド、勇気‥‥たしかにそれらもおありだったと思いますが、わたしは、あれには、別の要素もあったのでは、と思うのです。それは、
(姫に、被虐への関心が芽生えたのでは――‥‥)
という、不謹慎なものでございました。この間、調教士さまにバイブ責めをされ、そのためかどうかはわかりませんが、ずいぶんご従順になられたようですが、それも、被虐の快楽に目覚めた、あるいは目覚めつつある――ということではないかと。
 しかしそれは、たとえお姉さまにでも、言うことは憚られました。ですから、わたしは、そのことは黙っていることにいたしまして、次にジェニファーさまのことについて話しました。
「ジェニファーさまは、お姉さまに妬いているようですわ‥‥」
「あの者が? ――わたしに? なぜ?」
 姉さまはまるで見当がつかないらしく、きょとんとしておられました。
「姫さまと、なにやら語り合っていたと‥‥。部下にと、誘われたのでございましょう?」
 わたしはジェニファーさまが悲しそうにこぼしていたことを、姉さまに話したのでした。姫さまが、自分を追い出した上で、姉さまとふたりきりで、なにやら自分にわからぬ話をしていたと‥‥。
「『――後ろめたい気持ちを無理に押して、細剣レイピアつかに仕込んだ盗聴器で聞いていたわたしは、あの女たちの前にも関わらず、不覚にも涙をこぼしそうになってしまった』、と‥‥」
「‥‥――やはり、あのときのあれは‥‥そうなのか。あの置き方は妙だった――。よっぽどあの子に指摘してあげようかと思ったのだが、なにしろ、わたしの状況がな‥‥」
「軍人としてのプライドを傷つけられたのですわ。わたしの目から見てあの方は、ナディーカさまに献身的に仕えてまいりましたわ。レイピア――ですか? 政治のことはわたしはわかりませんが、あの方のせいではなく、操ろうとした者が悪いのです」
 それからお姉さまは、あの方のレイピアの出所やナディーカさまを取り巻く状況について、わたしにお尋ねになりました。わたしは、自分が知る範囲のことを話しました。
「お姉さまのほうがご存知でしょうけれど、あの方は、本星近くの、墜落してしまいそうな高重力の戦場ばしょで、幾度も死地をくぐり抜けてきた勇敢な方‥‥。その方が、悔しさに泣くのですよ。そのお気持ちを察してあげてほしいのです。差し出がましいこととは承知しているのですが‥‥」
 わたしはジェニファーさまを思うあまり、そんなことを言っていました。
「‥‥‥‥」
「あの方のお姉さま‥‥ジャニスさまとは、壁があるようでございますね‥‥」
 それから、あのミドリさま――ドリーさまでしょうか‥‥の、お姉さまに恋焦がれる視線について、お姉さまに指摘してあげました。お姉さまは気がないようでございますが、
「あの年頃には、無理ないことでございますよ。わたしだって、そうでしたもの」
と、自分のイシドラ時代を重ね合わせて、申しました。するとお姉さまは、ふと、
「あ――。そうだ、あれは‥‥」
と、何か思い出されたようにお声をあげられました。
「どう、されたのでございますか?」
 怪訝に思ったわたしが尋ねると、
「いや‥‥その‥‥ほら、さっき、湯面に浮かぶおまえのおっぱいに――‥‥。その、わたしが萌えていた、と言っただろう」
「はい‥‥」
「――あれと、おそらく同じ萌えを、ドリーは、わたしに感じていたのだ、あのとき‥‥。――いや、そういうことがあったのだ‥‥」


衛星和誌 −Qカップ姉妹−の最初へ 衛星和誌 −Qカップ姉妹− 102 衛星和誌 −Qカップ姉妹− 104 衛星和誌 −Qカップ姉妹−の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前