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ちあき肉おどる
【ロリ 官能小説】

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そうして-2

「いきなりセックスというのもなんだから、タッチされる、というところから始めてみないかい?」

顔を伏せ、黙っている千亜希。小学生にしては大柄な身体が縮こまっています。

「そうだ。……千亜希ちゃん。きみ、キスもまだだろう?」

竿田の言葉に赤面し、目を泳がせる千亜希でしたが、彼女は確かに、唇でさえ処女でした。

「ファーストキスの相手が、こんなおじさんじゃ嫌かい?」

千亜希は、改めて竿田を見ました。60歳手前の、白髪混じりの男性です。でも、若い頃はハンサムだったんだろうな、という感じがします。同級生の男子にはない大人の落ち着きがあります。学校の男の先生にはない妙な魅力があります。そして、従姉妹をあんなにも夢中にさせるセックスができるんです……。

 千亜希は、ぼーっとしていました。竿田の誘いで頭が麻痺していたのかもしれません。
 ふと、何かが近づいてきたと思ったら、千亜希の唇に柔らかいものが触れました。目をパチクリさせると、竿田の顔が目の前にありました。

「ごめん。頂いちゃった。きみのファーストキス」

上気していた千亜希の顔に、さらに赤みが加わりました。身を引きながら、彼女は頭の中で同じ言葉を何度も繰り返しました。

『キスされちゃった……キスされちゃった……キスされちゃった……』

 すると、万里が気怠そうに半身を起こしました。
「ビックリ」を顔に貼り付けている千亜希を怪訝な顔で眺め、苦笑しながら頭を掻いている竿田を見やり、

「なに? なんかあったの?」

万里は竿田に問いかけました。
 初老の女たらしは、ごまかすことなく、千亜希の唇を奪ったことを白状しました。

「そう。……千亜希もされちゃったんだ、キス」

笑いを口元に浮かべ、万里はベッドを降りて千亜希の両手を取りました。

「私も初めはキスだったの。竿田さんにファーストキスを奪われたんだ」

万里の手に力がこもりました。

「千亜希も同じになったね、私と」

ぶんぶん手を振る万里に呆然となる千亜希でしたが、「いけないことの先輩」は竿田に向かって言いました。

「どうせだから、千亜希にディープキスも教えてあげてよ。……私にしてくれたように」

 竿田は微笑を浮かべ、しばらく考えていましたが、「そうしようか」と言うや、千亜希に近づき、12歳にしては太めの二の腕に右手を添え、もう一本の腕にも左手をあてがいました。
 異性の唇が近づき、千亜希は顔をそむけようとします。が、両腕にあった竿田の手が顔に移り、正面を向かせます。そして……、

「んっ…………!」

男の唇が触れ、……触れただけでなく、舌が……、舌先が千亜希の閉じた上唇と下唇の間を横に滑りました。肩に力みの生じる初心(うぶ)な娘ですが、竿田はかまわず舌先を横に躍らせます。目をきつく閉じている千亜希。その背中を男の手が、あやすように撫でていました。

 そのうちに、目と同じようにきつく閉じられていた千亜希の唇から徐々に力が抜け、わずかな隙間が生じた時、竿田の舌がスルリと忍び込みました。

「んんっ!………………」

他人の舌のヌメリ。異性の舌の弾力。男の舌の絡まり。
 千亜希は頭が痺れました。きつく閉じた目の中で星が飛びました。

 男の舌の洗礼から解放されたいと思う千亜希でしたが、竿田はディープキスをやめてくれません。それどころか、もっと深く舌を差し込んで、もっとねちっこく舌を絡めてきます。

『ああ…………、もう…………だめだよう…………』

竿田の胸に手を突っ張って押しのけたい気分の千亜希でした。
 ところが、ふと、妙な感覚が自分の舌に生じました。

『ん? ……なに? ……なんなの?』

気持ちいい、まではいきませんが、ゾクゾクするような、変な感じです。
 そして、竿田の舌先が千亜希の舌裏や歯茎を刺激し始めると、ついに心地よさのようなものが生じました。
 竿田の舌が千亜希の口の中で、快感を掘り起こします。千亜希の身体から力が抜け、瞳がトロン……となります。

 能動的な舌は竿田のものだけでしたが、やがて、千亜希の舌も、控えめにですが、相手の動きに応えるようになりました。
 舌の表側のわずかなザラツキ。舌裏のぬめった感じ。
 舌を吸われる恍惚感。吸い返す冒険心。
 千亜希の両腕は、いつしか竿田の背中に回り、12歳にしては豊かな胸をきつく男に押しつけていました。

 どれだけキスをしていたでしょう。
 竿田の口が離れた時、千亜希は唾液の糸を相手の唇に見ました。紗のかかったような彼女の視界で、その透明な糸はキラキラしていました。

 その日は、ディープキスどまりでしたが、千亜希はもう、大人の階段を一足飛びに何段も駆け上がってしまったような気分でした……。


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