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王子の甘い罠
【女性向け 官能小説】

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「良く聞いて。すみれ。
宮本君は、うちの会社のフランスの現地法人の社長の息子ね」

はぁ?
わたしがフランスに行くと拠点にする現地法人の社長の息子ぉ?
あ。確かに社長の名前は宮本だ・・・

「宮本君はもともと日本の広報を学びに出向していただけ」

出向ねぇ・・・・

「それもこれも、全部入社の時に明らかにしていた事だよ?」

へ〜。そうですか。知りませんでした。

「だから、王子なのよ。容姿の事だけじゃないんだよ。
あの人はいずれ、横浜ホールディングフランスの社長になるのよ」

はぁぁ?何それ。全く聞いてないんですけどっ!

なるほど・・・それで王子、ね。
王子って見た目じゃなく本当に王子だってことなのね。
それであのマンションにも説明が付く訳だ。

「すみれ、しっかりしてよ」

はいはい。
これからは興味の全くない新人のあいさつも聞くようにします。

あ!と思いついて時計を見る。
8時前だ。
まだ会社に部長はいるはず。

「真樹ごめん。会社に戻るわ」
「何?あの事決めたの?」
「うん。決心がついた」
「そう。応援する」

「Merci à vous.」

フランス語でお礼を言ったら
真樹は大声で笑い出した。

よし!とにかく会社に戻ろう。




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