リリア語り（１）-1
わたしは、身に何も付けず、部屋の大きな姿見の前に立ちました。
長い髪に面長、そしてとても大きな
（まあ！ なんていやらしい‥‥）
わたしは実は、このように自分の裸身を大きく鏡で見たことがあまりないのです‥‥。
ここは、わたしの自室。壁の重力表示装置が、ここが標準重力すなわち〇・一四五Ｇであることを示しています。お陰で、鏡の女の双乳は、ぽうんと
鏡の女は、足には、マグ・シューズを簡易化したマグ・ソックスを履いています。極薄で、ソックスというより足の部分だけのストッキングのようなものです。被服の類ではありますが、開発にはザヴォーズも関わったようでございます。わたしもスガーニーで初めて目にしたもので、オイオでは未だ珍しいらしく、お姉さまと来られたあのおふたりが、興味深そうに眺めておりました。
この姿見は、オイオ星から届けられた物です。そして、何故かわたしに与えられた物なのでした。
どなたからの贈り物なのか、わたしは存じません。わたしは高級メイドですが、このような心遣いは、アグラウラでは、為されていませんでした。
（あの調教士さまかしら‥‥。だとしたら、なんてお優しい――）
そう思い、お礼を言おうとはしたのですが、わたしだけにで、ナディーカさまやジェニファーさまには無いということも、なんだかおかしな気がしました。わたしだけが奴隷を解除された点を考慮するにしても、それはつい昨夕のこと。この姿見は、先々日、他の品々とともにスガーニーに船便で届いたのです。贈り主には、何か事情と言いますか、お考えがあるように思うのです‥‥。
わたしの部屋は、このアグラウラで標準的な中期アテルマ様式ですが、なかなかどうして、マウ・ペリンツィア風のその鏡さんも、お部屋でよく映えておりました。
（このような立派な鏡――‥‥）
自分の裸身を見たことが、というより、アグラウラ宮には、そもそも姿見の鏡という物自体が、あまりないのです。以前の王宮には普通に在ったということなので、どうも、ナディーカさまが好まないようなのです。――わたしは、あらためて鏡に見入りました。
その顔よりも大きいモノを胸につけているくせに、何やらすました、涼しい顔。
これでは、あの、わたしたちの調教士さまだった
（あの調教士さまに、お願いしてみようかしら‥‥）
いままでの調教によって、わたしのこの
夜、裸でベッドに入ると、横になれば布団といっぱい擦れ合って、感じてしまいます。あお向けになって、布団をかけなくても、部屋が１Ｇの場合、乳房の自重で感じてしまいます。布団をかければ横向きと同じ。うつ伏せになんてなろうものなら、おっぱいが感じすぎて、それだけでイってしまいそうになります。他の方は、どうなのでしょうか。
（お姉さまは‥‥）
そこでわたしははしたなくも、ルリア姉さまの
おっぱい。
わたしは、おっぱいに興味があります。
名前は、リリアといいます。リリア・ケレス・ミアヘレナ。ナディーカさまにお仕えするメイドにして、今回のコンジャンクションでナディーカさまが戦った、オイオのプレーヤー、ルリア・ケレス・ミアヘレナの妹でございます。
いま、他の方の
わたしなどは、昼間も‥‥いわゆるノーブラですと、特に何もするというのではなく、歩くだけでも、服の布地と擦れ合って感じてしまいますし、部屋で裸になって歩いてみても、振動でおっぱいが揺れ、感じてしまうのです。立ち止まって、いえ、こうして黙って立っているだけでも、左右の乳房の触れ合う部分、そしてそれぞれがアンダーバストの肌と触れ合う部分が、敏感に感じてしまうのです。
（いっそ誰かに、乱暴に鷲づかみにして欲しい‥‥）
そんな、いけない想像もしてみたくなるものです。
誰かに‥‥？ ――どなたに、でしょうか？
（オイオから来た、あの新しい調教士さま？ それとも‥‥？）
わたしの出身は、トゥーロパ星です。いまでは第一次トゥーロパ戦役と呼ばれる戦争のさなかに別れて以来、お姉さまとお会いするのは、本当に久しぶりとなります。わたしは、一度もトゥーロパに帰っていません。あれ以降トゥーロパは――平和だったわたしたちのトゥーロパは、何もかもが変わってしまいましたから‥‥。