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夢を見るころ
【女性向け 官能小説】

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「あの子・・・ハンコをもらいに来たんでしょう?」
「そうだよ」
「玄関でいいじゃない」
「そうだな」
「ハンコをもらいに来たのにお粥なんか作る?」
「だよな」
「何?風邪薬って!彼女のつもり?」
「だよな」
「ポカリも買って来たの?余計なお世話」
「そうだな」

私はこんなに不愉快なのに、なんで篠塚さんは笑ってるんだろう・・・

「篠塚さんの彼女は私なのに!」
「うん。そうだよ」
「何、笑ってるの?家にあげた篠塚さんも同罪だよ!」
「うん。ごめん」

篠塚さんがゆっくりと私に向かって歩き出した。

「電話しないでって言っても、緊急でしょ!」
「だよな」
「私に来てほしくなかったの?」
「まさか」
「じゃぁ電話しなさいよ!」
「うん」

そう言って私を頭からすっぽり覆いつくすように抱きしめた。

「私は彼女なのに!」

涙が出ている事に気がつかなかった。
ゆっくりと身体を離した篠塚さんがパジャマで涙を拭いてくれた。

「ごめん。俺が悪かった」

嬉しそうにそう言うと私に優しくキスをした。



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