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浦和ミュージックホール
【その他 官能小説】

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りりーのステージ-1

 踊り子にインタビューする様になってからというもの浦和ミュージックホールには足繁く通っている。
 そして今日は香盤表に懐かしい名前を見つけた、リリーだ。
 高卒で就職してすぐの頃先輩に連れられて来たこの劇場、そこでやはり高校を卒業したばかりで踊り子になったリリーのステージを見たのだ。
 工業高校で女子と触れ合う機会がほとんどなかった俺にとっては、同い年の女の子が裸で踊り、オープンまでして見せてくれるのは強烈な刺激だった、そして服を脱ぐ時、オープンする時に恥ずかしさのあまり泣きそうになっている彼女の顔も良く憶えている。
 しばらくして各地の劇場を回ることになったリリーとは会わずじまいだった、そのリリーをまた見られるとは・・・。
 しかし躊躇もある。
 当時のリリーはまだ素人っぽさの残る踊り子、本当に同級生の裸を拝んでいるような、罪悪感と隣合わせのようなときめきを感じていたのだが、今はもういっぱしの踊り子になっているに違いない、思い出は思い出のままにしておきたい気持ちもある。
 しかし、やはりリリーのショーは見ることにした、俺だって当時の俺ではないのだからリリーが変わっていても当然、むしろその成長を見届けなければいけない、と言う気持ちになっていた。

 リリーは大きな歓声で迎えられた。
 高校出たての頃のこわばった表情はもちろんない、にこやかに、観客とのやり取りを楽しむように優雅に、そして軽やかに舞う。
 思ったとおりぎこちなかった頃の名残はない、しかし思い出がくすんでしまうような気持ちはしない、むしろリリーに比べて自分はどれだけ成長しているのだろうか、と言う気持ちになる。
 衣装を一枚一枚とって行く時の仕草も堂に入っている、思わせぶりに少し焦らしながら観客をあおり、ボルテージを上げて行く、みどりから受けたアドバイスを忠実に守り、練り上げてきた所作なのだろう。
 ストリップとは正確にはストリップティーズという、ティーズは焦らすと言う意味だ、ただぱっぱと脱いで裸を晒すだけではこんなにボルテージは上がらない、うまく焦らせて観客の歓心を誘うのがプロの踊り子の技、その点リリーはストリップティーズの王道を歩んでいる。
 そして回転舞台に出てからのオープン。
 最初に思い切りよくオープンして見せると観客のボルテージは最高に上がる、しかしそのまま開いているだけではボルテージは下がってしまう、その点、リリーはまるで見えない男に抱かれているかのように身をよじり、腰を振り、こちらの想像力に訴えてくる。
 舞台はゆっくりと回転するから右側の観客にオープンして見せている時は左側の観客からは見えない、リリーは表情でも魅せるのだ、眉をひそめ、感極まったような表情・・・感じている様に見せるテクニックでもあるのだろうが、昔のリリーを見たことがある俺はまた別の印象を受ける。
 (今でも恥ずかしいのかな・・・オープンするのは・・・)
 高校出たてのリリーは本当に泣き出しそうな表情でオープンしていた、今の表情はあの時のままではないが、今でも羞恥心を忘れていないように思える、だからこそ扇情的なのだ、踊りやストリップは格段に上達しているが、初々しかった頃のリリーの面影をそこに見出せた。
 2〜3周舞台が回るとリリーは指をあそこに伸ばす。
 リリーの指使いは絶妙だった、露骨に広げて見せるような事はしない、ラビアにそって指を這わせ、クリトリスをこりこりと刺激してみせる、そしてリリーの唇からは喘ぎが漏れ、その表情は例えようもなく色っぽくなる・・・・。
 「はぁぁぁぁ・・・・」
 仰向けで腰を浮かせてオナニーを見せ付けていたリリーの腰が舞台にすとんと落ちる、その瞬間、客席からも「ほぉ」とため息が漏れる、息も止めるほどに観客を惹きつけていたのだ、もちろん、俺もだが・・・。
 リリーのショーはそこで終わり・・・まな板や白黒はなし、リリーは脱ぎ捨てた衣装をかき集めて体の前を隠し、深深と一礼すると軽く手を振りながら軽やかに下がって行く、惜しみない歓声を浴びながら・・・・。


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