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恋愛のかたち
【青春 恋愛小説】

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恋愛のかたち-3

「なぁ、再来週の日曜日予定ないやんな?」

うちが聞くと要は面倒くさそうに答える。

「んーないけど、何」

「や、何って…」

「買い物?映画?」

うちが言葉に詰まったのには理由があった。だって来週の日曜日は要と付き合って一年になる日。そやのに何?
真剣に忘れてるん?
いくら何でもそれはないやろ…。
要はほんまにうちのこと好きなんかなって不安になる。

その日からうちは少し要を避けるようになった。それでも要は気にする様子もなくいつも通りマイペースで、その態度にうちはさらに不安を募らせた…。
お昼はいつもうちが要を誘いに行ってたけど、教室でひろちゃんと食べるようにした。
それでもやっぱり、要がうちの方に来てくれることはなくて、友達の話によればクラスの人ら(女も含む)と一緒に食べてたとか。

うちってほんま何なんやろ…?ちょっとくらい気にしてくれたってええのに。



記念日を一週間後に控えたある日、衝撃的な言葉を耳にした。
廊下を歩いてると要の話し声が聞こえ、うちはとっさにその場に立ち止まった。

「要くんさぁ、まだあの彼女と続いてるん?」

「おーまぁな」

話し相手は要のクラスの女。うちはそのまま気配を悟られへんように立ち聞きをしていた。

「長いよね。そんなにええの?今の彼女」

そして、次の言葉に耳を疑った。

「可愛えやろ?何でも言うこと聞いてくれるもん」

「きゃはは、サイテーだよこの男っ!(笑)」

唖然とした。
全身の力が抜けてくような感じがして、そこから次の会話がなされる前にその場から逃げるように立ち去った。

ほんま…最低な男や。

うちはさらに要を避けるようになった。メールも電話もせんようにした。

「何か怒ってんの?」

「別に…」

「あっそ」

ようやく気にかけてきたかと思えばこれだけ。この男がマイペースで俺様な人間なのは知ってたけどもう無理や。その瞬間うちの中で何かがキレた。

バチーーーンっ!!

持っていた鞄を思いっきり要の頭にぶつけた。
突然のことに要は呆気にとられている。

「痛ぁー、何すんねん!!」

「もうええ」

「あ?」

「うちが何でもあんたの言うこと聞くと思ったら大間違いや。こんなん彼女やない。要なんて、もういらんッッ!!」

そのまま走り去った。
やっぱり要は追いかけてなんて来てくれへんくて泣きながら笑った。
愛されてるなんて思ってた自分がアホみたいや。


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