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love communication
【若奥さん 官能小説】

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大目に見てよ-1

「別腹」って言葉は都合のいい言い訳だなあと、つくづく思う。


腹一杯飯を食べたのに、甘いケーキもペロリと食べては「別腹だから」と笑ってごまかし。


ダイエットするって言ってたじゃないかと、突っ込む度に上記の言い訳。


そうやって、いつもいいとこ取りをするのなら、俺だっていいとこ取りしたっていいじゃないかと、声を大にして言いたい。


――俺にとっちゃこれは別腹みたいなもんなんだから。







「輝くん、またエッチい動画買った?」


声のトーンでわかる、妻の里枝の機嫌。


いつもより低いそれに、ゴクリと生唾を飲み込んだ。


そして、リビングのソファに寝転んでテレビを観ていた身体を起こして、居住まいを正すお説教待ちの俺。


さて、どう切り抜けようか。


怒りが最小限に済む模範解答を考えていると、里枝は俺の隣に、わざと勢いをつけてドスンと座った。


ジッと訴えかけるその視線が気まずい。


せめて、瑠璃がいてくれたらなあと思うけど、寝かしつけてきたから、里枝がここにいるわけで。


テレビから流れてくる、今日の野球の結果とハイライトシーンがやけに遠い世界のことのように思えた。




かばうわけじゃないけれど、里枝は男ってものをよく理解してくれている方なんだ、本当は。


現に、以前(今もだけど)俺がエロ動画を所持していたのがバレても何も言わなかったし。


当時の俺達は、セックスレスだったからこういうのを持っていても仕方ないと思っていたのかもしれないな。


いや、彼女は俺がエロ動画を所持していることで、セックスレスに危機感を持ったから何も言えなかったのかもしれない。


でも、それが功を奏したのか、里枝が夫婦生活を復活するきっかけを作ってくれたのだ。


浮気や不倫を予防しようとセックスレス解消を頑張ってくれた里枝。


……でもな。


確かにセックスレスは不満だったけれど、だからと言って浮気する気は俺には毛頭ないんだぜ?


だって、一時の快楽で全てを失うなんてバカげてるだろ?


可愛い子供と、一緒にいて落ち着く妻と、やっと構えることができたマイホームと、安定した職業と。


これらを失う方が怖いに決まってる。


だったら一人で好きなエロ動画を見て、自己処理をする方がお手軽なのだ。




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