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笛の音
【父娘相姦 官能小説】

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笛の音 1.-21

 舌打ちを聞かせ、叔父の顔を見たくないから代わりに張形を睨んだ。
 金曜日はどうしても時間が取れないらしく、月曜日に明彦の家でDVDを見る約束をした。今の時点で叔父は何をそんなに勘ぐっているのかは知らないが、生憎なことに明後日には正解になる。
『今度は愛美ちゃん登場なんてことはないよね?』
『次も登場したら、明らかに尾行されてますよw』
『確かにw じゃ、今度こそ期待しようっと』
『そういう期待に沿えない映画なんですよね?』
 明彦とのメッセージのやりとりを思い出し、含み笑いだったのがプッふき出しそうになって、緩んだ顔を窓の外の景色へ向けた。最早メッセージに書いていることはフリでしかない。明彦にもかなりの確率で結ばれることが伝わっているだろう。すると手の中にある張形が非常に馬鹿々々しい物に思えてきた。何だろう、こんな物でどうしようと言うのだ。
「こんなの入らない」
「ウソをつくな」
「無理。大きすぎるし、濡れなきゃ入るわけない」
 数年にわたり抱いてきているくせに、コレを見せれば濡らすような淫乱に育て上げたとでも思っているのか。そんな幻想はAVか、淫らな妄執の中だけに求めればいい。
「じゃ、濡らせ。ツバが出るだろ?」
 その言葉に「は?」と不機嫌な声を漏らしてしまった。だが叔父には全く冗談の影はなく、それどころか、
「ツバでもヨダレでもいい。ヌルヌルにして、その気取ったワンピースの中でパンツをズラしてブチ込め」
 とのたまった。それでも拒否したら何を言われる? 自明だった。有紗は並走車からも対向車からも見られてしまう車内で、張形を顔の前に差し上げて、叔父に強要されてきたフェラチオ通りに口内に含むなどする気になれなかった。外から見えないように脚の付け根に両手で持つと、眉を顰めて口に溜めた唾液を糸を伸ばして先端に垂らした。
「なかなかイヤラしい濡らし方するじゃないか」
 揶揄が聞こえてくる。何も答えず、革張りのシートの上で脚を最低限開くと、叔父の視線が決して中へ届かぬように裾の位置に注意して、両手をワンピースの中へ差し入れた。片手でショーツをズラし、まだ凪いでいる秘門へ唾液の雫が乗った先端を擦り付ける。
「むっ……」
 呻きを漏らして押し込もうとしたが、唾液を垂らした程度では、シリコンと乾いた壁の間の摩擦を緩和することはできなかった。「いったっ……、やっぱり無理」
「だから強引に捩じ込まれたいのか、って聞いてるだろ?」
「くっ……」
 叔父の手で挿れられるくらいなら、羞恥と痛みに耐えて自分で挿れたほうがはるかにマシだ。有紗はもたらされるであろう擦過に備えて瞳を硬く閉じると、できうるかぎり下腹の力を抜いて奥まで張形を挿し込んだ。
「手を離せ。パンツで蓋をしてな」
 言われた通りに指で脇に寄せていた下着のクロッチで、余った柄を包むようにかぶせると、車の中でスカートにいつまでも手を突っ込んでいるのが嫌で、サッと抜いてワンピースの裾を払い下ろした。緩めていた脚を閉じると、
(うっ……)
 中心で存外の存在感を示す異物に奥歯を噛んだ。
「ホテルに着いたら、他の男にヤラれてないか調べてやる」
 まだ明彦に抱かれていないのだから、何も上がるはずはない。それに月曜日が過ぎ、叔父以外のセックスを知った体の、どこをどう調べたら、何が分かるというのだろう。心の中で叔父の言葉の揚げ足を取るように毒づくと、スカートの中の圧迫感が紛れていく。
 こんな物挿入させたまま連れ回せば性楽を焦がされて拝跪すると思っているのだとしたら、それこそAVに影響されすぎだ。愚かな、変態エロオヤジ。しかしその男が運転する車に乗り、強要されたプレイを受け入れている自分も自分。叔父を毀謗し、自分を卑下していると体は実に長閑だった。性具を体に填めて羞恥に苛ませる浅はかな期待を、ホテルに着いても全く乾いた場所を見せつけて嘲笑ってやる――。
 窓のすぐ傍に、追い越そうとする中年女の自転車がフラつくのを、危ないなぁ、と見るまで落ち着いていた有紗のスカートの中で、突如振動が始まった。驚いて運転席を振り返ると、信也がハンドルを持ったままスマホを掲げている。
「最近は何でもIT化だな。こんなものの操作まで携帯でできるらしい」
 張形で中で連なった粒の帯が螺旋に回ってきた。全く凪いだところへそんな感触を送り込まれても不快感しかなかった。
「ちょっと、止めて」
「ん? 気持よくならないか?」
「うっとうしい」
 そうか、と、いつもイラっとさせられる鼻を鳴らす癖を見せた叔父が、スマホをタップした。
(えっ!)
 錯覚かと思ったが、有紗の体の最奥に突然冷たい粘液がかけられた。モーターがスカートの中から微細な音と振動を伝えてくる中、叔父が親指でスマホの画面をタッチする度に、ビュッ……、ビュッ、と張形の先端から粘液が迸る。そして最奥に放出された粘液は、渦を巻いて蠢くシリコンの表面によって膣壁との接面へと染み込んできた。


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