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愛しているから
【青春 恋愛小説】

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強い気持ち・強い愛-5

「その時に州作さんが言ったの。

“だったら最後のチャンスを作るから、その時に沙織ちゃんの気持ちをぶつけろ”って。

それでもどうにもならなかったら、諦めて自分と付き合うよう前向きに考えてって」


だから、俺と二人きりになるよう、俺だけに酒を飲ませて潰して、沙織が介抱すると言う作戦をとったらしい。


でも俺は酒を飲むどころか、ろくに輪にも加わろうともしなかった。


焦った沙織は、急遽自分が酔ったフリして倒れる、そんな作戦に出たらしい。


俺がどう動くかは一か八かの賭けだったらしいけど、もし俺が倒れた人間をほっとくような奴だったら、そこまでの人間だったんだと諦めがつく、そんなことまで考えていた、と言う。


結局は知らず知らずのうちに賭けに勝っていたわけだけど、もし間違っていたら、沙織に見限られていたんだと思うと、背筋が冷たくなった。


しかし、一つ疑問が残る。


「何でそんなまだるっこしい真似したんだ? 直接話し合いたいって言ってくれたら俺はいつだって……」


「うん、……でもね、怖かったの、その時は。

倫平に振られて、これ以上しつこくして拒否されるのが。……それに」


少し悲しそうに俯く彼女に、ズキンと胸が痛む。


別れようと言ったあの時だけじゃない。


沙織の水着姿に身体が反応してしまったことをバレたくがないために、何度も彼女と距離を取ってしまった。


沙織からすれば、冷たくされてると思っていても仕方ないわけで、そんなまわりくどい作戦を立てたことを咎める資格なんてまるでないのだ。


「ご、ごめんな沙織……。いっぱい傷つけてしまって……」


あぐらをかいたスネの辺りを掴んで貧乏揺すりみたいに膝を動かす。


そして次の瞬間、さっき沙織が言いかけていたことを思い出し、再び彼女を見た。



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