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THE 変人
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病名-5

 その夜、幸代との楽しかった一日を海斗に話した瀬奈。今までにない表情だ。言葉の一つ一つに感情が詰まっている瀬奈の話を海斗は頷きながら、そして微笑みながら聞いていた。
 最後まで話し終えると瀬奈は正面から海斗の目を見据えながら言った。
 「私、ずっと自分をおかしな人間だと思ってた。訳もなく発狂して自分を抑えきれない人間で、世間の中で生きていくには難しい人間だって思ってた。でもね、今まで海斗と接してきて、特に今日幸代さんと一日を過ごして分かったの。私だって普通の人間だって。幸代さんは私に凄く優しいし私の事を真剣に考えてくれてる。海斗もそう。私、ここにいれば自分を取り戻せそうな気がする。自分の未来に希望が見えた一日だったよ?」
穏やかないい表情をしている瀬奈に、海斗は以前から考えていた事を言う決心がついた。
 「なぁ瀬奈。俺はおまえを好奇な目でなんかみていないという事を理解して貰った上で聞いて欲しい。」
 「なぁに??」
瀬奈の顔が真顔になった。海斗は意気を深く吸い込み、ゆっくりと吐き出してから言った。
 「知り合いにいい医者がいる。一度しっかりとみてもらおう。その上でおまえの病気と向き合って一緒に戦っていきたいんだ。」
以前、旦那に一方的に病院に押し込められたという話を聞いた。それだけに病院に連れて行くという行為が瀬奈を傷つける事になるのではないかと考え、なかなか切り出せなかった。海斗は医者でもないし専門知識もない。正直これからどうすればいいか分からなかった。その為、瀬奈の状態が一体どんな状態であるのか確認しておきたかった。
 「うん。分かった。」
意外にも瀬奈はニコッと笑ってそう答えた。それが海斗にとっては物凄く嬉しかった。なぜなら瀬奈はそこまで自分や幸代を信じてくれたと言う証拠であったからだ。瀬奈にとってしっかりと医者にみてもらう事が何よりも大切だと思う気持ちが伝わった事に海斗は嬉しさを感じたのであった。


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