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喋る男
【熟女/人妻 官能小説】

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穏やかな風景-1

 今年もいつもと変わらない穏やかな新年だった。キッチンでは由紀子が客をもてなす準備で忙しそう
にしている。リビングでは夫・敏夫がテレビを見ながら居眠りを始め、正月らしいゆったりとした時間
が流れていた。
 
そのときチャイムが鳴った。

「あなた、お願い。きっと好美よ」手が離せない由紀子が夫に声をかけた。

「おぉやっと来たか」

ビックリしたように言うと、重い腰を上げて敏夫は玄関に向かった。ドアを開けると立っていたのは宇野好美だった。

「あけましておめでとうございます。今年もお招きいただきありがとうございます」
型通りの挨拶を済ませると敏夫と一緒にリビングへとやって来た。

「おめでとう、ゆっこ。今年もよろしくね」
好美はコートを脱ぎながら由紀子に話しかけた。
 
 由紀子と宇野好美は同期で入社して以来かれこれ13年ほどの付き合いになる。
年齢は同じだが姉妹に例えると、おっとりお姉さんが由紀子で行動的な妹が好美になる。この関係はいまも変わっていない。

結婚は同じ時期だったが、お互いに子どもがいなかったから変わらない関係が続いたのかもしれない。
 
 好美の夫はシステムエンジニアで、一年の大半を海外で過ごしていた。

「お正月、暇だったら遊びにおいでよ」

数年前に声をかけたのがきっかけで、年始に好美を招くのが恒例行事になっていた。

「旦那さんは今はどこにいるの?」敏夫が尋ねると

「アフリカ。大きなプラントらしく春まで帰ってこないわ」好美はなかば諦め顔で応えた。

「それじゃ、好美も会いに行けばいいじゃない。わたしだったら絶対にいくな。寂しいもん」
由紀子はわざと敏夫を見ながら会話に加わった。

「ごちそうさま〜〜。食事前にお腹がいっぱいになっちゃうわ」

屈託のない切り返しに、笑いの華が広がって三人の新年会は始まった。

 19時を回ったころ「あら、もうこんな時間だ。そろそろ失礼するわね」

食後のケーキが終わろうとしたとき、突然、好美が切り出した。

「もう少しゆっくりすればいいのに……」由紀子が怪訝そうに言うと

「後輩と会わなきゃ。悩める年頃なのよ。これでもわたし一応上司だから」と帰り支度を始めた。

「ここからだとちょうど帰り道なの。だからこの日にしたの」申し訳無さそうに由紀子と敏夫を見ながら好美は言った。

「じゃ、俺が駅まで送ってくよ」敏夫が提案すると「そうしてあげて。好美、そのほうがいいでしょ?」

「ありがとうございます。お言葉に甘えて……」好美は申し訳無さそうに敏夫の提案を受け入れた。
 
由紀子と好美が玄関に歩き出したとき、敏夫がリビングにあったゴルフバックを重そうに担ぎ始めた。

「帰り道、ちょっと汗をかいてくるよ」
そう言いながら大きくなった腹を敏夫は撫でてみせた。

車のトランクにゴルフバックを積み込むと敏夫は運転席に乗り込んだ。

ゆっこ、今日はありがとう。楽しかったわ。また電話するね」
ぺこりと由紀子に頭をさげると、助手席に乗り込んだ。

「あなた、お願いね。気をつけて……」
由紀子が言い終わると、車は静かに動き出した。
 
 好美と敏夫を乗せた車は明らかに駅とは反対方向の郊外へと向かった。
好美が運転席の敏夫に甘えるように寄りかかっている。

「ゆっこは感づいてない?」

好美が不安そうな声で敏夫に聞いた。

「大丈夫さ、あいつは鈍感な女だから…。今日の雰囲気でわかっただろ?」

「なら、良かった。ねぇ早くぅぅ……」安心した好美が甘ったるい声で囁きながら敏夫の股間を弄り始めた。

「敏夫さんに抱かれると思うと、朝から濡れていたの……」

好美の淫らな告白に昂ぶりを抑えきれない敏夫がアクセルを踏み込むと、車はホテル街のネオンに吸い込まれていった。


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