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good communication
【若奥さん 官能小説】

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終わりよければすべてよし-2

結論から言えば、輝くんは今日のデートのことを天慈くんから聞いて知っていたらしい。


天慈くん経由で、このホテルでランチをするからと聞いた時に、輝くんは部屋を予約すると決めたんだとか。


それは、普段育児や家事を頑張る私へのサプライズ。


天慈くんと瑠璃の3人で話し合って決めたから、瑠璃も納得してるし、心配ないと笑う彼。


「まあ、まさか倒れるとは思わなかったけど、部屋をとっといて好都合だったよな。ツインじゃなくてダブルなのが申し訳ないけど」


さすがに、近い日程の予約だったからツインは埋まっていて、ダブルが辛うじて少しだけ残っていたらしい。


でも、ダブルとはいえ、スプレンディード・ガーデン・ホテルに泊まれるなんて……。


あまりの急展開に頭がついていかなくて、ただぼんやりと彼の笑顔を眺めるだけだった。


「というわけなんだけど、実の所、具合はどうなんだ? 今からでも病院行くか? 休んでいたいなら、このままゆっくりしてるけど」


「う、うん。身体はもう平気。でも、瑠璃はホントに大丈夫なの?」


働かない頭だけど、瑠璃のことだけはすぐに口に出る。


あの甘えん坊な瑠璃が、私がいなくてちゃんと眠れるのか、そればかりが頭の中を駆け巡った。


「今度幼稚園でお泊まり会があるんだろ? その練習するって張り切ってたぞ」


「お泊まり会……」


「そ。もちろん寂しくて泣くかもしれないけど、天慈だって保育関係の専門学生なんだし、任せろって言ってた」


輝くんはゆっくり身体を移動して、ベッドの縁に腰を掛ける。


天慈くんが胸を叩いて後押ししてくれる姿が容易に想像できる。


セックスレス解消という、不純な動機から始まったこのデート。


でも、みんな私のことを応援してくれていたんだ……。


瑠璃を預かってくれた天慈くん。私を変身させてくれた天童ブラザーズ。そして、私がいなくても頑張ると言ってくれた瑠璃。サプライズをしてくれた輝くん。


みんなの笑顔が頭の中に広がって、胸がじんわり温かくなる。


ホントなら、食事が終わったら、水族館に行く予定だった。


映画も本命の映画じゃなかったし、ランチも最後まで楽しめなかったし、私の計画した『綺麗になってラブラブデート大作戦』は、結局は失敗に終わった。


だけど、なぜだろう。すごく満ち足りた気持ちでいっぱいで目の奥がジワッと痛む。


すると。


「……里枝」


スッと私の頬を撫でた大きな手は、そのまま首の後ろにまわり込んではしっかり抱き締めてくれた。






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