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「運命の人」
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運命の人〜白雪王子〜-3

「はい!お待たせしましたぁ〜。」

湯気としょっぱい匂いを香らせているうどんを二つ、お盆にのせてベットのそばのミニテーブルに運んでいく。塔也君は布団を被ってしまっていて、なかなか顔を合わせてくれなかった。

「うどん冷めちゃうよー。早く食べて。」

応答無し。
私は、仕方ないと思い話を先程に戻してみた。

「監禁したのって私のことが好きだったからなんだよね?」

更に返事を待つけど、やはり返って来ない。

「塔也君はすぐに反省していて、部屋に入って来た時から辛そうにしていたんだよね。それに、顔を近付けて来た時も何だか思ったの、根は悪い人じゃないって。」

私は恐る恐る、布団を剥がして背を向けたままの彼に更に言葉を続ける。

「信じてみたいって気になっちゃったの。さっきも言ったけど、好きだなんて言ってくれたのは塔也君で初めてだから。」

今ので彼はぴくりと反応していた。もしかすると、少し恥ずかしいこと言ったかなど後悔した。

「だから、放っておきたくないの。監禁した人でもいいんじゃなくて、その監禁した人が嘘のようなギャップを持ってるからこうしてあげるんだよ。」

私は、言おうか言うまいか悩んだが、彼の成績表を持ってきた。紙の音が聞こえると、さすがに塔也君は起き上がり私の手元を見る。

「勝手に見ちゃってごめんね。体育が4でそれ以外5の人だなんて、私これ見たら素直に尊敬の意思が芽生えちゃったの。私、勉強なんて出来ないし運動オンチで、これと言って取り柄なんてないんだよね。」

彼の目元はほんのり赤みを帯びていた。成績表を渡すと、彼は再確認するように一面を見渡す。

「そんな人が私を気になってくれてるなんて、今でも信じるのが怖いくらい。だけども、それが本当なら私の運命の人なのかな…。」
「は?」

私はそこから先を言いかける所に、塔也君の驚きによる言葉の漏れで口がどもり始めた。私も、何だか恥ずかしくてわけわからないし、今では一体何を言おうとしたのかが分からなかった。
彼を見遣ると、意味深な表情でどこか羞恥を思っていたようだった。

「あっと…えっとね、それは…。」

言葉を探しているうちに、「運命の人」=おばあちゃんの一言と頭の中でふと出て来た。その瞬間を逃さず、素直にそのことを言おうかと思った。

「私、夏休みの頃おばあちゃん家に行ったの。彼氏いるのかって聞かれたから、相変わらずいなくて悲しいって言ったの。そうしたら、きっと私のことを好きな人がいるかもしれないって。その人は簡単に出会えない程に価値のある人間で、普通の人じゃ分からない私のいい所を知っていて。それが運命の人だって。」
「…。」
「その、もしかしたらそれが塔也君…だったりして、とかも思っちゃって………。ごめん、今のはキモイよね…。」

私は言うなり顔を赤らめていた。だけども恥ずかしいだけではなく、都合が良すぎる言い方だと後悔した。


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