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エスが続く
【OL/お姉さん 官能小説】

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2. Sentimental Journey -5

「このまま出しちゃいたい」
 手と舌を止める。いくら快楽に頭を痺れさせている悦子でも言っている意味が分かった。見上げると平松は至極真面目な顔で男茎に顔を寄せている悦子を見守っていた。何度も放出する男だが最初の一回目はコンドーム内の澱みを見て分かるほど濃厚で量も多かった。今この体勢でそれを出されたらどうなるか。
「服にかかる」
「うん。……洗濯すればいい」
 うんじゃないよ。
「私の顔も無事じゃないよ?」
「うん。お風呂に後で入るでしょ、二人で」
「そういう話じゃなくてっ……」
 反論をしようとしたら、悦子の秘裂にもう一本指が差し込まれてきた。圧迫感が増した中に、指の付け根近くまで埋められて間接を曲げられてくる。溢れた蜜が撥ねる音を聞かされた。
「出したい。いいよね?」
「んっ、だ、って……」
「顔射、されたことある?」
 足元はイヤラしくイジってくるのに、もう一方の手は男茎にしがみつくように悶えている悦子の頭を優しく撫でてくる。
「な、ない……」
 そんな無礼を働いてくる男なんていなかった。
「じゃ、させて。したい」
 髪を撫でていた手が、男茎を握りしめていた悦子の指を解き、自らその根元を掴んだ。尖端から堪え切れない透明の粘液が漏れていたのは指の間に糸を引く感触で分かっていた。そんな亀頭が倒されて悦子の顔に向けられてくる。
「やっ……」
 目元にヌルッとした丸みを押し当てられた。美貌にそんな非礼を受けたことがない。それだけに男の欲情の証を浴びせられると想像すると、平松の指に惑乱されている体が締まった。
「……うっ、今日、会社で注意したからっ、そんなことするんでしょっ!」
 彼の手に堕ちそうになる羞恥を隠すために言ったが、悦子自身もそうではないと思っていた。付き合い始めてから、職場で悦子に注意をされても、決して恋人であることを傘にそれを免れようとしたり、二人の時間に報復をしようとはしなかった。職場と二人きりの場とではまるで違う。平松を彼氏とするにあたって、悦子が一番恐れた仕事との均衡は、平松がきちんとけじめをつけてくれていることで全く問題にはならなかったのだ。
「ちがうよ」
 悦子の強がりは平松に見通されていた。「……悦子のキレイな顔に出す、最初の男になりたいんだ」
 蜜にまみれた内壁の、悦子が最も性感を感じる場所を指先が掠めてきた。鼻先や頬を尖端と幹が擦ってくる。熱く漲った肉先が擦られて、顔になど性感帯は無いと思っていたのに、確かにその嬉戯は悦子の体を淫らに染めていく。
「いいよね?」
「んっ……、や、やっぱり、やだ……」
「俺のザーメン、イヤ?」
 また直截な言葉で問われるとドキリとした。平松の精液を拒んでいるわけではない。男茎になぞられている肌は平松の淫情の証に触れることに妖しげな畏怖を感じてはいても、汚濁感は微塵もなかった。
「そうじゃなく。……も、もう出しちゃうなんて」
 もったいない、と言いたかったが躊躇われた。さっき平松の押しに負けて卑猥な言葉を聞かせたのに、自分の中に入ってこずに果てるなんてひどいと思ったのだ。
「……大丈夫。俺が一回で終わらないの知ってるでしょ?」
 その一回ももったいないんだよ。貪婪な自分に恥じながら顔に亀頭を擦られたまま平松を睨み返した。
「顔射させてくれたらすごい興奮する。いつもよりたくさんできるから」
「……」
「いっぱいしてあげるよ。この前より」
 この前何回したか憶えてないよ。気持良すぎて。
「ペロペロして」
 低俗な擬音で指示されたのに、悦子は舌を出して顔中に擦りつけられる男茎に添わせた。涎がこぼれ落ちる。先走りの汁と自らこぼした唾液に化粧が乱れていっているだろう。仕事をするために美しく整えた顔を崩されていくことに説明がつかない快感を覚えた。
「悦子もイカせてあげる」
 指が中をかきまわしてくる。「すごい音だよ、悦子。聞こえる?」
「んんっ……、やあっ……。き、きこえないよっ」
 片脚を立てて開いた間から、指に乱された邪淫とも言えそうな音が聞こえてくる。自分の体が立てているなんて考えられない。明るい部屋の中で翻弄されている姿を全部見られている。空とぼけようと思っても自認せざるをえない状況は、悦子を一気に絶頂へと押し上げてきた。
「ほら、イッて悦子。見ててあげる」
「見なくていいっ……」
「イクときのエッチな顔にかけたいから」
「やあっ、もうっ……」
 愛し方が変態じみている平松に対してよりも、それで淫りがわしくなっている自分に対する言葉だった。見られている前で絶頂に達したい、体は悦子の言葉とは裏腹に平松の指を強く締め付けると、全身に小刻みな震えを起こしながら悦子の頭の中を真っ白にした。絶頂直後で朦朧としている悦子の頭に手を穏やかに添えて、しかし決して動かせない強い意志を感じさせる力を込められたかと思うと、唇に触れていた根元が激しく脈動した。
「うあっ、悦子っ……」
 平松の声が聞こえてきて、額にボタッと重い雫が打ち当たった。間髪入れず頬にも落ちてくる。真上に向いた男茎から激しく精液が吹き上がり、悦子の顔からブラウスの襟元まで無数の雫を降らせてきた。


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