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真奈美の日記
【獣姦 官能小説】

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カミングアウト-1

「こう線を延ばすと・・ほら、この角度とこの角度が一緒でしょ。 だからこの三角形と、この三角形は相似。 これが答え」

「へえー マコちゃん、頭いいー・・」

真奈美は算数の問題をスラスラ解いて見せる真琴に、驚きを隠せなかった。
マンツーマンで勉強を教える真琴は、真奈美に寄り添うように、隣に座っている。
彼女の手はペンを持つ真奈美の手の上に重なり、彼女の胸は真奈美の肩口に触れる。 彼女の華奢で端整な顔が、真奈美の顔のすぐ横に迫っている。
真琴が間近に居ると、女同士であっても緊張にも似た時めきで胸がドキドキしてくるのが分かる。

白く透き通るような肌、大きな瞳、細く高い鼻筋・・ 折れそうなくらい細く長いうなじ、狭い肩幅、しなやかな手、ツンと張り出した両の胸、くびれた腰、スカートからスラリと伸びた足・・ 改めて間近で見ると、全てがとても自分と同学年だとは思えないくらい、美しく艶やかなのだ。

(あたしもマコちゃんみたいな体形だったら、きっと人生、変わっていたんだろうなあ)

真奈美は、真琴の話も上の空に羨望の眼差しでポーっと彼女を見つめていた。

「おいおい、キミ! ちゃんと聞いてる?」

「え!・・ あ、う・・うん!」

真琴の一声でハッと現実に引き戻された真奈美は、同じ女性である真琴に見とれていた事を悟られるのが恥ずかしくて平静に振舞おうとしたが、ぎこちない返事になってしまった。

「うーん・・ さすがに小一時間もボクが一方的にしゃべるだけじゃ、聞く方も疲れるよな・・ ちょっと、休憩入れよっか」

「ふあーい・・」

真奈美は休憩と聞いて集中力が途切れてしまったのか、あくび混じりの眠そうな声で答えた。

「ふふ、眠気覚ましに、ちょっとコーヒー入れてくるよ。 ホット? アイス?」

真琴はそう言ってソファーから腰を上げた。

「あ、ありがとう ・・アイスがいいかな」

「オーケー、ちょっと待ってて」

真琴は背を向けたまま右手でOKのサインを作り、頭を斜めに傾けるように振り向くと、真奈美に軽くウインクしてリビングを出て行った。

− テーブルの上には教科書や参考書が所狭しと開かれ、ノートには図形や数式が落書きのようにびっしりと書き込まれている。
消しゴムのかすが飛散して汚れた様は、まるで戦場跡のようだ。

(はあ・・ どうも算数って苦手なんだよね・・ 算数出来る人って、尊敬しちゃうなあ)

まるで家庭教師のように、スラスラと問題を解きながら解説する真琴を、真奈美は尊敬せずにいられない。
同学年の自分と比べて、こうも差が付いてしまったのはなぜなのだろうか。 真奈美にとって、それが謎であり、劣等感を抱く根源でもあった。

(あたし、今まで何してきたんだろ。 怠けてたわけでもないと思うんだけど・・ 真剣さが足りなかったのかなあ・・)

真面目に学校と家を行ったり来たりの毎日。 遅刻したことは無かったし、病気で授業を休んだことも無かった。
母親の言いつけはよく守るり、叱られないように気を付けてきたつもりだ・・

(今思えば・・ なんて平凡な毎日を繰り返して来たんだろう)

親や他人の目を気にして、良い子を演じて来た自分を情けなく思うと、目頭がジンと痺れ、奥に熱いものがこみ上げる。

(好奇心旺盛。 以前、先生に評価してもらった私の唯一の長所・・ でも、ほんとは違う。 ただ勉強が嫌いで、続かなくて、何か他のことに逃げ出したかっただけ・・)

暫くの間、しょんぼりテーブルの上を見つめていた真奈美だったが、その瞳の奥には小さな光が宿っていた。

(あの日、あたしは勉強部屋という鳥かごから逃げ出したのだわ。 沙夜子さんという金髪の女に誘われ、外の世界へと抜け出した。 その時あたしは、何も知らなさ過ぎた。世の中、こんなに厳しいものだなんて・・ マコちゃん、ずっと以前から世間の荒波にもまれていたのね。 だから強くなったんだ・・)

いつしか真奈美の顔立ちはキリッと引き締まり、たくましくさえ感じられた。 ここ数週間の出来事の中で、真奈美は少しずつ変わっていたのだ。

(あたしもマコちゃんのように強くなりたい・・ だって、あたしは今、マコちゃんと同じ世界に居るんだから・・ もうこれ以上あたしは逃げない。 そして、サヨ姉さんを取り返すんだ!)

・・・ガチャリとドアが開いた。

「おっ、キミ。 もう復活したのかい?」

アイスコーヒーが2つ乗ったトレイを両手で支え、真琴がリビングに戻ってきた。

「マコちゃん!」

「ん? な、何だい?」

「あたし、試験がんばる! だから、一緒にサヨねえさんも助け出そう! ねっ!」

「えっと・・ うん、そうだね。 どっちもがんばろう!」

暫く部屋を離れているうちに、真奈美にどんな心境の変化があったのだろうか? 一瞬ためらった真琴だったが、とにかく彼女の復調は良いことだ。 ぎこちない気合いの入り方だが、いかにも彼女らしく愛嬌がある。

「じゃ、その前に。 とりあえず、これ飲んで落ち着こう」

真琴はアイスコーヒーを真奈美の前に差し出した。


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