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倒木のうつつ
【その他 官能小説】

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倒木のうつつ-4

蠱惑的な声で誘われ、与可郎はふらふらっと蒲団に近づき、両膝をつきます。そして、池にざんぶと飛び込むように、肉布団に己が身を投げました。そして、顔のところにきた豊かな乳房にむしゃぶりつきました。犬畜生でさえ教えられずとも交尾(つる)みます。交情のしかたなど知らぬ与可郎でしたが、本能で女体を愛撫しているのでしょうな。
 盛んに乳房を揉まれ、乳首を吸われると、おゆきさんは感じ始めてまいりました。したくてたまらなくなっていたのですから快感の芽吹きが早うございます。

「ああ〜〜〜〜。いいよ。……もっと揉んでおくれ。……もっと吸っておくれ」

与可郎の頭を掻き抱くようにして鼻を鳴らします。
 しばらく乳房と戯れていた与可郎でしたが、陰門から立ちのぼる淫靡な匂いに誘われて、そちらに気をとられたようで、身体を下へずらします。

「もう挿(い)れたくなったのかい? ……ふふふ、まだ早いよ。挿れる前に、あすこを吸っておくれな。乳首を吸うのと同じように……」

お針師匠の指導のもとに、顔を女陰の前に持って行った与可郎でしたが、突然、うっと呻きました。陰門の臭いをまともに嗅いでたじろいだのでしょうか。いいえ、そうではありません。先ほどの魔羅への口腔愛撫の刺激が、今頃になって脳に達したのでした。

「うあぁ…………。ひっ……、ひっ……、ひっ……」

身体を反らし、素っ頓狂な声を上げながら、魔羅の先から精液を勢いよく噴出させる与可郎。おゆきさんは薄暗い小部屋の中で白い打ち上げ花火を見物することになりました。どうして今ごろ精をぶっ放すのか不思議でしたが、そのあまりの勢いに、

『た〜まや〜〜〜』

と心の中で声を掛けていたおゆきさんです。
 季節外れの両国花火を見物し終えた彼女は、飛び散った精液を枕紙で拭き取りますと、煙を上げる代わりに残滓を垂らしている男根も丁寧に拭いてやりました。そうしてやりながら驚きました。精を放ったはずなのに、与可郎の一物は反り返ったまま硬さを保っておりました。亀頭はテラテラと光を帯び、萎れの気配など微塵も見えません。

「おやまあ。豪儀なものをお持ちだねえ」与可郎に流し目をくれますと、「さあ、仕切り直し。ぼぼ(女陰)を吸っておくれな」

おゆきさんは仰向けに寝て、太腿の間に与可郎の顔を誘います。淫らな匂いに誘われて肉の鮑(あわび)のあちこちに盲滅法、接吻をする相方に、

「慌てなさんな、与可郎さん。ぼぼの合わせ目の上のほうに肉の豆みたようなのが見えるだろう?」

「ああ。納豆の粒みてえなのがひとつあるぞ」

「それを吸っておくれ。……ああ、強くしちゃ駄目だよ。優しく吸うんだよ。優しく」

「……こうか?」

「そう。そういう具合」

その後、しばらく、チュウチュウと鼠鳴きのような音がしておりましたが、やがて、それに女の嬌声が混じり始めました。おゆきさんの声はだんだんに熱を帯び、いつしか与可郎の口のまわりは女の汁でべとべとになっていました。
 頬や目元に紅を刷いたようになったおゆきさんは、与可郎の頭を軽く二、三度叩き、

「吸うのはもういいよ。そろそろ頃合いだ。まぐあい(交接)を始めようじゃないか」

と、寝転がって相方に本番を促します。魔羅を女陰に挿せばいいのは本能で分かりますが、交情は生まれて初めての与可郎。腰遣いがぎくしゃくして、肉竿の狙いが定まりません。

「慌てなさんな、与可郎さん。ほら……」

下に伸ばしたおゆきさんの手が男根を握り、女陰へと誘います。

「こうして……、先っぽを、ぼぼにあてがって……、そのまま腰を沈めてごらん」

「あ? ……ぬるってした」

「うっ……(大きい!)」

「ん? どうかしたか?」

「いや、なんでもないよ。……そのまま入って」

「ああ? ……あったけえ。珍宝があったけえ……」

与可郎は痛みや快感には鈍いのですが、その他の、温かさなどの感覚は普通に得られるようでした。

「上手く入ったじゃないか。……そ、それにしても大業物だねえ、与可郎さんのは」

「おおわざものってなんだ?」

「珍宝が大きいってことだよ。ま、それはともかく、腰をゆるゆると振っておくれ」

「ゆるゆる……、こうか?」

「そうそう、そういう具合。……その調子で、ずーっと振っておくれ」

言われるがままに与可郎、腰をゆるゆると振り続けます。普通なら、膣襞とのこすれによって亀頭に快感が生じるのですが、与可郎の場合は襞の感触や温かさは感じるものの、心地よさは、ずーっと後でないと生まれないようです。
 馬鹿の一つ覚え(実際、馬鹿なのですが)で、腰をゆるゆるゆるゆる振る与可郎。ゆっったりした動きですが、容積の大きい魔羅ですから女体に与える刺激は強い。

「む……ふうーーん。あ……はあーーーん」

おゆきさん、甘い声が出てまいります。膣道を往復する魔羅の胴が太いのもさることながら、亀頭の傘が立派に張り出しているので、膣襞をグリグリこすりたてるのです。

「ああーーん。与可郎さん。あんたの珍宝、まるで熊手だよ。鷲神社の酉の市で売ってる縁起熊手も豪勢だが、あんたの肉の熊手も大したもんだ。……ああーー、ぼぼをもっと掻いておくれ。掻き出しておくれ」

三十路女、白い尻をせり上げ、大魔羅を盛んに迎え入れます。
 いっぽうの与可郎は、亀頭に快味は生ぜぬものの、怒張が肉襞を掻き分ける感覚や、膣に締められる感じが面白く、加えて、おゆきさんが顔を上気させ、なんとも色っぽい顔つきで悶える様を間近に見て、鼻穴をふくらませていました。


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