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悠久の恋の果てに
【ファンタジー 官能小説】

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「どうして。私に前世の記憶が戻ったと分かったんですか?」

「イタリアからの電話で、私を残して『もう』どこにもいかないで、って
言っただろ?」
「はい・・・?」
「大正大震災の事を言ってるのかと思った」

「あれは・・・無意識で」
「そうか」
「でも結果的に、そのショックで木曜日に夢を見たんです」
「夢?」

「はい。前世の記憶をかいつまんで見ました」
「そうだったのか」

「前世の俺は良い男だった?」

「それはもう。当代きっての殿方でございますもの。
男爵家自慢の若旦那様です」

涙が。
涙が止まらない。

抱きしめられても。
これが現実なのかと疑ってしまう。

私たちはそれほど、前世では触れ合うことすらできなかった。

「みさを。俺の美緒。100年の時を超えて。
それでもなお、愛してるよ」

ゆっくりと、私たちは100年越しのキスをした―――



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