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エスが続く
【OL/お姉さん 官能小説】

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1. Someone to Watch over Me-21

「気持ち……、よくないですか?」
「ううっ……、卑怯もんっ」
 指が媚門をくぐって来た。ニチュッと音が聞こえると悦子は腰をくねらせて平松の指を迎えに行っていた。気持ちいい、と頭の中で言うと、奥からまだ蜜が漏れてくる。平松の指が悦子の体を解し始める。指に向かって蜜を垂れこぼしていると分かっていても、襞をなぞられる度に奥が蠢いてしまう。
「……ちょっ、そんなことしたら……、うまく話せない、からっ……」
 腕に抱かれたまま顔を俯かせた悦子の唇を追いかけるようにふるいつくと同時に、指を更に奥まで進めた。
 続けんのかよっ。告った答え聞かねぇのかよっ!
 覆いかぶさってきた。薄目を開けると、平松が改めて唇を重ねてこようとする。もうダメだ、指で体を愛しまれながら悦子は自ら唇を開いていた。部屋の中は暗みに包まれている。起きた時は昼の光が部屋を満たしていた。一日中飲まず食わずでセックスをしていたということだ。暗みの中の彼の姿を見ていると、これが夢か現かあやしくて判別したい気分になったが、唇を押し開いて入ってくる舌の感触に紛れてしまって、悦子は夢でも現でもあってほしいと思って体を任せていった。
 そして性愛の狭間に省みると平松がまた中に入ってきていた。もう何度目かわからない。仰向けに組み敷き、容易には動けない体重をかけて、大きく開いた脚の間を貫いてくる。射精の囁きをして、体の中でしっくりと収まる男茎が激しく脈動する期待に胸を震わせさせておいて、すぐにその期待通りの蠕動で柔襞を擦ってくる。その震撼は悦子も一緒に絶頂に導いてくれた。事後もたっぷり時間をかけて抱きしめられ、唇だけではなく肩や首筋、届く場所全てに唇を押し当てたあとゆっくり男茎を抜き取りながら、
「好きだよ、悦子」
 と囁き、その言葉に身を焦がすような切なさを感じているところへ、愛したばかりの脚の間の中心へ唇を押し当てて媚肉をはんでくる。音を立てて啜られる淫猥な響きに恥辱を感じながらも、彼の口から体を剥がすことができない。力強く下肢を抱えられて丹念に喫われると、もはやイッているのか分からないほど体を痙攣させながら秘門がひくついた。
「彼女になってください」
 何回抱かれただろう。額をすり合わせながら真上から丁寧語に戻して囁かれた。息を切らせながら潤みきった薄目を開けた悦子は、
「こんなの、卑怯だって、言ってるじゃん……」
 と恨めしげに言った。
「気持ちよくないですか?」
 何回訊くんだよ。
「……わかんだろっ、もおっ」
「ちゃんと言ってください」
「……」
「言って? 悦子」
「うっ……」
 男に呼び捨てにされたい。酔った勢いで吐露したのだろう、日頃抱いていた願望だった。悦子の気高さに満ちた容姿にのみ惹かれ、被虐願望を満たしたい男たちはそうしてはくれなかった。
「悦子」
「煽んないで」
 女王様気質だと自覚している。そんなこと言わされたこと無い。訊いてもくれなかった。「……きもちいい。すごく」
「彼女になってください」
 ややこしいな私は。悦子は自分を恨んだ。
「む、ムリだよ」
「俺が……、ブサイクだから……、ですか?」
 ここまで抱かせてあげたのにそんな心配をされて悦子はムッとした。
「私の理想のタイプに、顔なんか含まれてなかったでしょーがっ」
 と不機嫌な声で言ってから、不意に気弱な声になって、「……だって、私、あんたの上司」
 来週からのことを思うと容易く了承できなかった。
「……彼女になってくれたからって、仕事でそれをタテにはしません。約束します」
「やりにくい」
「……仕事も頑張ります」
「や、やっぱ卑怯だよ。……仕事頑張るから、ヤラせて、ってこと?」
 話しながら、自分の開いた脚の間に膝をついて、まだ屹立している男茎に新しいコンドームを装着しているのを見て信じられない思いをしながら、しかし一方で飽くことなく自分を求めてくれる嬉しさが湧いてきてしまう。ビクンッと脈動する亀頭の前で、またソレで早く自分の中を満たして欲しいと花唇が待望に震えていた。
「違います」
 亀頭が入口にこすりつけられる。うんっ、という甘い溜息を漏らして、
「じゃ、何?」
「仕事終わるまでは、チーフは上司です」
 ぐっと力を込められて亀頭が埋められると、悦子の脚は爪先まで延びて踵がシーツから浮いた。「……仕事が終わったら、悦子を彼女にする」
 男茎が悦子を進んでくる。体が拡げられる快感に悦子は脇の下につかれた平松の両腕にしがみつき、煩悶の呻きを漏らしてから、
「……わ、わたしなんか彼女にすると、大変だよ」
「何が、ですか?」
「私、いくつだか知ってんの? 来年っ、……き、勤続10年だしっ」
「それが?」
 ゆっくりと男茎がスライドを始める。亀頭の傘が襞に弾ね、力強く内部を抉ってくる。
「っくっ……! ど、どんどんオバサンになってくんだからねっ」


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